選ばれた少女(8) カード遊び | 前世の記憶 ~Past Life Memories~

前世の記憶 ~Past Life Memories~

占い師や精神科医に頼ることなく、自力で前世を蘇らせる方法。

他 映画、音楽、スポーツ関連記事も書いています。


女神のように美しい、そして常に穏やかな笑みを湛えた女性--


高貴な地位にあると思われる衣装を身に纏う彼女が、まだ幼い少女の手を

引いている--


此の世のものとは思えぬ女性の美しさと、輝くばかりの豪華なドレスに心奪われ

両親のことなどすっかり忘れている--勿論この時点で、少女は後に、本当に

両親と会えなくなろうとは、知る由も無かったが・・・


巫女


彼女がスカウトしたのは、将来の巫女候補--巫女 という呼称が適切かどうか

わからないが、取り敢えず・・


彼女--仮に名を 『セレネ』 少女を 『レイラ』 とする--セレネは、レイラの

他にも何人かスカウトしており、彼女たちに教育を授ける役割を担っていた。


スカウトされた少女たちは、涼やかな風が吹き抜ける白い広間に通された。

テラスの円柱の向こうには、青い海が見える--


磨かれた石で造られたテーブルの上には、カードのようなものが並べられていた。

セレネはそのカードを使い、まるでゲームでもするように楽しく遊ばせながら覚え

込ませるという手法を取る

それは、レイラや他の少女たちに、勉強をしているといった自覚を与えることなく、

教育を施すことができた。遊びなので、嫌になるということがない--


--上手に答えを言えた子どもを、セレネは、まるで母親がするように褒めた。

褒められれば褒められるほど、少女たちは--特にレイラは、さらに遊び(=難しい

課題)に取り組むようになり、その実力は、一目おかれるほどになっていった・・