来る日も来る日も階段を上り、この 丸いツール・・占い盤のようなもの
に向かう日々--
彼女の脳内には、宇宙の画(え)が、常にぐるぐる廻っている。
この建物には、窓のような大きな開口部があり、そこから外へ出ることができた。
建物の中からでも、そのななめ頭上の夜空、輝く無数の星々が見える。
彼女は、常に答えを求められるプレッシャーに押し潰されそうになると、その
開口部から外へ出て--そこは、ずい分高い屋根のようなところ--夜空を
見上げる。
神秘的な満月 を見ると、心が落ち着いた・・・
--いったい何故、この少女はたったひとりで、このような作業をすることに
なったのか・・・?
これこそ 自分の意に反して だったのか?
彼女の人生を遡ってみた。
--彼女がまだ、4~5才の頃。
彼女を スカウト した女性がいる。
少女は、どこにでもいる普通の子どもだったにも拘らず、その女性は、彼女の
才能を見抜いていたのか、偶然 選んだ のか・・・?
身に纏った衣装から、非常に高い位にある女性だという事が判った。
そして
女神
そんな呼称が似つかわしいほど、穏やかで、優しげな笑顔を常に絶やさない
女性だった・・・
