選ばれた少女(9) 哀しみ | 前世の記憶 ~Past Life Memories~

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占い師や精神科医に頼ることなく、自力で前世を蘇らせる方法。

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いつしか教え子は、レイラだけになっていた。


しかし、セレネとの一対一の授業となっても、レイラには楽しく、勉強に飽きる

ことはなかった・・・


映像はそこから、あの 丸いツール に向かう日々へと飛ぶのだが、その時

レイラは17歳。しかしそこに、母のように姉のように慕っていたセレネの姿は

無い--


17歳という若さで、その開発された目覚ましい能力のため--巫女というより、

神官に近い役職?に大抜擢された彼女。

しかし、セレネという指導者を失い、たったひとりで日々訪れる難問を解決して

いかねばならない重圧は、耐え難いものだった。


--最初の、丸いツールに向かって階段を上る姿の後、視えてきた感情が

ある。

庶民が行き交う街の片隅で、美しい衣装を纏ったまま、地面に座り込み、膝を

抱え人目もはばからず泣く姿・・・

--一般の人々が、神官の姿など目にすることはないため、この綺麗な衣装を

纏った、見るからに高位の娘と判る少女が誰なのか、何故このような場所で

悲しみに暮れているのか訝った。


それは セレネの身に起こった悲劇 --それを告げられた直後の哀しみだった・・・