空の彼方に⑯ 命懸けで | 前世の記憶 ~Past Life Memories~

前世の記憶 ~Past Life Memories~

占い師や精神科医に頼ることなく、自力で前世を蘇らせる方法。

他 映画、音楽、スポーツ関連記事も書いています。


無我夢中で半次郎を救おうとした考章・・

まかり間違えば、彼もろとも斬り殺されかねないーー!


ーーしかし、何をどう説得したのか、武士は捨てぜりふを残し、何事もなく去って行った。


呆然自失の考章・・気がつけば、半次郎は気を失い、寝そべっているではないか・・

やれやれと肩に担いでも、がりがりに痩せた男の体重は、食うに困らぬ、しっかりと

栄養の行き届いた体格の考章にとっては、何でもない。

彼を担いだまま、夜道を、自分の下宿?先へと向かった・・・


半次郎を自分の住まいに置く。ということは、単に面倒を見る、というだけではなかった。

藩か、誰かの手先として人斬りを行っていることは明らかでーーということは、もし、その命に

背いたとなれば、背後にいる者たちが黙っていない。

ーー彼を、その者達から守らねばーーそれも、命懸けで ・・・

それをしなければ、彼は、間違いなく殺されるーー


こう書くと悲壮感漂うが、実際考章に、そこまでの覚悟があったのだろうか?

どういうわけか彼には、悪い結果を招くことはないだろう、という根拠のない自信があった・・・