いつもの時間に、いつもの居酒屋にやって来たリーダーの男性。
(ややこしいので、人斬りの男性を、半次郎 とし、リーダーの男性を 考章 とする)
半次郎はやはり居た。しかしすでに酔い潰れ、意識はないーー
珍しくこの日、孝章は、仲間を誘わずひとりで飲みに来ていた。
暫らくして意識を取り戻した半次郎は、立ち上がると、おぼつかない足取りで店を出た。
考章は、彼の動向が気になり、後を追うーー
ーー人斬りの噂は聞いているーーが、あんなに毎日酔っ払っていて、人が斬れるのか?
半次郎が、ふと、足を止めた。
視線の先には、料理屋から出てきたひとりの武士ーー腰には剣・・背の高い男だった。
考章も足を止め、息を殺す・・・彼が ターゲット か・・?!
次の瞬間、半次郎は、わけのわからない言葉を叫びながら、武士に斬りかかっていった
ーーやけくそのように刀を振り回しながら・・
方や、驚いた武士は、半次郎と違い冷静に応戦。
人を斬らなければならないはずなのに、酔っ払っているせいで、あっという間に形勢逆転ーー
切っ先を首に当てられ、身動きもできなくなってしまった。
武士は、無礼者とか何とか怒鳴りつけながら、半次郎を斬ろうとするが、半次郎のほうは、
これも何か叫んでいるが、何故か抵抗しようとしない・・
ーー見ていた孝章は、その瞬間、彼に飛びついた。
暴れる彼を後ろから羽交い絞めにしたまま、怒り心頭の武士を必死になだめ、許しを請うーー
その間も半次郎は 自分を殺してくれ と叫び続けていた・・
