空の彼方に⑫ 苦しみを逃れて | 前世の記憶 ~Past Life Memories~

前世の記憶 ~Past Life Memories~

占い師や精神科医に頼ることなく、自力で前世を蘇らせる方法。

他 映画、音楽、スポーツ関連記事も書いています。



・・夜道に現れた、前世の男性の『亡霊』のような姿ーー


その時代、彼の人生で最も苦しかった瞬間ーーその暗い思いが、前世を視る私の前に

複製(コピー) され形作られたかのように、登場した・・

耐え難い程の辛さーーその気持ちが痛いほど伝わってくる出来事だった。



ほぼ 『棺おけに片足を突っ込んだ』 ような状態である前世の男性。

冷静に物事を考える余裕も失ったその頭をかすめるのは

『死んでも構わない・・』

もう、やぶれかぶれだった・・・


そんな中、彼の苦しみを和らげたのは、やはり 酒の力 ーーー


男性は、日が暮れると酒を求めて、とある居酒屋に足繁く通った。

常連客で賑わう店も、彼の周囲だけは誰も近寄らないーーー毎日ひとりで来ては酔いつぶれ、

意識を失うがりがりの男は、客達にとっても、お店の主にとっても薄気味悪かった。

その出で立ち、態度を見れば、よからぬ仕事に手を染めていることは明らかーー怖くて近寄る

ことすら躊躇われた・・・


そんな常連客のうち、毎日のように店を訪れるある団体があった。

年は、20代の前半から30代前半ぐらいまでの男たち数名。

前世の男性とは対照的に、賑やかで、時にはばか騒ぎもするーー


彼らも、他の客達と同じように、前世の男性を避け、離れて飲食しているーーまるで男性など

存在してさえもいないかのように、無視を決め込んで・・


ーーが、リーダー格と思われる男性だけが、彼に時折視線を送っていることを、誰も気づいて

いなかった・・・