上方への道中転がり込んだ茶店ーー家族を持ち、そのまま平穏な人生を送ると思われた
前世の男性。
ーーしかし、些細な事件から、その人生の舵を、思わぬ方向に大きく切らざるを得ない状況
に追い込まれる・・・。
彼が頼るものは 剣の腕一本 ーーー
田舎では何の役にも立たないが、上方に行けば、何かしら仕事にありつけるだろう・・
ただ、今回は甘い夢ではない、家族の命運を賭けた 命懸けの求職? である。
故郷を発って以来、数年ぶりとなる今回の旅はしかし、なけなしの蓄えから妻が用意して
くれた路銀のおかげで、空腹に苛まれることもなく、無事、上方に着くことができたようだ。
ーーしかし、いきなり現れた(視えた)のは
血判状
の文字ーー共に視えてきたビジョンは、とある和室(広くない 6畳かそれより狭い)。
前世の男性が立て膝をし、和紙の上に筆で名まえを書いている場面ーーー
同じ部屋には、他にも人がいるようだが、立ったまま遠巻きに、その様子を見守っている・・

