映画『永遠の0』を観てきた。
百田尚樹の原作を読んでいたわけでもなく、しかも、めったに観ない日本映画をーーー
それもわざわざ劇場にまで足を運んで観ようと思った理由は、決して深いものではなかった。
興味を持ったのは、TVで紹介されていた 映画の VFX 。
リアルにCG化された零戦のモデルは、内部のディテールーー爆発により機体内部まで露呈
することを前提とし、エンジン内部まできっちり作ったというーーその映像を見たからだ。
勿論、零戦のCGに止まらず、空母『赤城』に関しても、『タイタニック』を髣髴とさせるリアル
な作りが施されている。
零戦の構造
映画にCGが多用されるようになってちょうど15年程になると、自分の記憶の中ではそう
思っている。
最新の日本映画のCGを大きなスクリーンで観る事によって、どれほどのものかお手並み
拝見といったところか。
あとは 『特攻』をどのように描き、また、評判を呼んでいる、単なる戦争映画に止まらない
家族愛などについてもどのように描かれているのか等。
また、主演が 岡田准一 というのもよかったーー彼でなければ、いくらVFXに興味があって
も劇場にまで出向く価値はないと判断しただろうーー。
かつて主演したNHKドラマ『大化改新』を見た時、タダモノじゃないと感じ、ジャニーズ出身
とはいえ、大した演技力だと一目置いていた。
TRAILER
http://www.youtube.com/channel/UC9JoeoivpePJ9tAOnP2m9nQ?feature=watch
映画の途中、いくつか印象に残ったシーンがある。
その中、主人公である宮部久蔵が、彼一人が戦争で命を落としても大きく何かが変わる
ことはないが、自分の家族にしてみれば大変なことだーーだから生きて帰りたいーーー
というような内容のせりふを言うシーンーー
ーー主人公は 死にたくない と再三口にする。
当時、帝国軍に身を置いた兵士が、お国のため、天皇のため死ぬのが当たり前と教育され
無言の圧力もある中で言ったとすれば、とんでもなく勇気の要ることだし、同時に非現実的
な話だーー現代の視点から捉えた妄想でしかないようなーー。
ただ、そう考えたとしても、久蔵を演ずる岡田が、無駄死にしたくない、家族の元へ生きて
帰りたいと願い、さらに、仲間にも生きて帰るべきと熱く説くシーンは、非現実的とわかっ
ていても心を打たれる。
ーーしかしそれは、岡田准一という俳優が、宮部久蔵という人物像をはっきりと理解できて
いて、静かではあるけれど信念を貫く、そして仲間や家族への愛情も深い、成熟した大人を、
まったく、ちょうど良いバランスで演じているその演技に因るところが大きい。
その証拠にストーリーは、確かに流れに沿って見れば涙してしまうところもあるけれど、全て
見終わってみれば、フィクション色が色濃く滲み出ている感は拭えないーー。
特に最後、ミステリーのからくりなど、答えが出る前に想像がついてしまい、興ざめしてしまう。
まあ、最後の方だけなので、前半中盤に関してはよく描けていると思う。
総括すれば、岡田准一の優れた演技あっての代物で
ーーVFXはナチュラルに見えて、とても良かったーー
彼の努力の賜物がなければ、これほどの観客を動員するヒット作にならなかったのでは、
と思う・・・
孫に会いたかった??
http://www.youtube.com/channel/UCVjR5b_ZXO4RQBVnd0jK7XA?feature=watch