④ 雪中の行軍 に貼り付けた画像が、見えた銃の形状に最も近かった。
調べてみると驚くべきことに、クリミア戦争開戦の年、1853年に設計された
英国製の銃であることが判ったーー
エンフィールド銃 ~ Enfield Rifle Musket
エンフィールド銃は、ミニエー銃(Minié riflel)
に分類される。
ミニエー銃とは、マスケット銃(火縄銃)の銃身内にライフリング(らせん状の溝)
を施した※前装式ライフル歩兵銃で、1849年にフランス陸軍の
クロード・エティエンヌ・ミニエー(Claude-Etienne Minié)大尉
によって開発された。
※前装式 ~ 銃身の先端側の銃砲口から銃弾を装填する方式
※歩兵銃 ~ 兵士が個人用に使うための軍用銃
1847年に開発された ミニエー弾 と呼ばれる独特の弾薬を使用するための銃だ。
ミニエー弾![]()
ミニエー弾は、※弾丸が充分な回転を持ち、弾丸周囲からのガス漏れが防止された
ため、飛距離と命中精度が飛躍的に向上した。また装弾が容易となり連射能力も
向上した。
※発射時の圧力で押し込まれたコルクがスカートを外側に膨張させると、弾丸周囲の
溝の凸部は銃身内のライフルに食い込みながら密着する。この事で圧力の漏れを無
くし、ライフルによる回転を弾頭に与える事に成功している。
ミニエー弾 構造![]()
ミニエー銃は出現当時としては桁外れに強力な銃器であり、エンフィールド銃を例に
取れば有効射程は一挙に300ヤードとマスケット銃の3~6倍に延長され、最大射程
は1000ヤード(これは当時の砲の射程にあたる)。
エンフィールド銃
フランスでミニエー弾が開発されると、欧米各国でミニエー銃の生産が始まった。
中でもイギリスで開発されたエンフィールド銃は優秀で、1853年にイギリス軍の
制式小銃として採用された。インド大反乱や クリミア戦争、太平天国の乱、
ニュージーランドのマオリ族鎮圧などで使用され、その完成度の高さが証明された。
スプリングフィールド銃![]()
アメリカのスプリングフィールド造兵廠で開発されたミニエー銃で、南北戦争では
北軍の標準装備だった。南軍でも捕獲品が使用され、南北戦争中最も標準的だった
小銃である。頑丈で信頼性は高かったが製造費節減のためにライフリングが3条に
減少しており、命中精度では南軍の制式装備だったエンフィールド銃に劣っていた。
~ ウィキペディアより
クリミア戦争に赴いたフランス軍の兵士が、視えた英国製のエンフィールド銃を使用
していたかどうかまでは突き止められなかった。フランス兵士なので、ミニエー銃その
ものを使用していたのだろうが、いずれにせよ、ミニエー銃仲間?であることに違いは
ないので、直感で選んだ銃が、正にクリミア戦争で使われていたことは、証明すること
ができたと思う。
それにしても、調べていく過程で、この『筒の長い銃』がどれも大差ない形状であること
がわかり、何故その中から、エンフィールド銃の画像をピックアップし得たのかは不思議
なことだと思った・・




