開戦前、戦地へ向かう途上のように感じたが、明確にいつ出発するかは未定のようで、
兵士等はリラックスし、仲間と語り笑い興じている。
前世の青年も、貴重なひとときを心から楽しんでいた。
が、血の気の多い兵士達のことーー酔った勢いで、よろしくない騒ぎも勃発する。
青年のテーブルも、例外ではなかった。
小柄で、見た目女性かと見紛う存在に気づいた兵士が、悪ふざけをしたり、侮辱的な
せりふを吐くのに時間はかからないーー
いつものことだと、軽くあしらおうとしても、悪酔いした兵士はしつこく絡んでくる。
ーーただの「ヤサオトコ」ではないのは、何も戦闘の最中だけの話ではない・・
可愛らしい容貌に反して、人一倍向っ気が強い青年の手が出るのに、時間はかからな
かったーー
顔面にストライクでパンチを食らった兵士ーー青年よりひと回り以上身体がデカイーー
がよろめくと、青年は飛び掛っていった。
完全にキレ、噴火しそうな勢いだーー
散々パンチを浴びた兵士は、しかしやがて、正気を取り戻すーー青年の方も、いくら気が
強いとはいえ、体格の差は埋められないーー次第に形勢は不利になっていった・・
が、そこに窮地を救う存在が現れるーー
二人の間に割って入った人物は、からかった兵士よりさらにデカイ男だった・・

