Chan captivates crowd with mesmerizing skate
Posted November 16, 2013
by Jean-Christophe Berlot,
special to icenetwork
※チャンと羽生の記事のみ訳
パリで、チャンが最初にその足先を氷に下ろした瞬間から、完全無欠の戦いは
始まっていた。この2日間で彼は、男子ショートとフリー、そしてトータルスコアも
含めた全てで世界歴代記録を樹立ーーー結果、2位以下に30点以上の大差を
つけ、金メダルと供にはるか彼方へ遠ざかったーー
16日、パリのエリック・ボンパール杯で、カナダのパトリック・チャンが優勝した。
歴代最高得点を叩き出した演技は、多分彼にとっても、かつてない最高のパフォ
ーマンスだったかもしれない。
フリーは 196.75 そのうち 100.25 がエレメンツ(技術要素)で獲得
した得点だ。これは、高得点の山を築き上げたチャンのパーソナルベストであると
同時に世界歴代最高記録となった。
日本の羽生結弦は、ミスはあったものの手堅い演技で2位。
ジェイソン・ブラウンは、ショートでの順位と同じ3位で終えた。
最終滑走のチャンは、見事な 4T+3T の連続ジャンプで、フリープログラムの
幕開けを飾った。続く2つ目の宙を舞う 4T 3A 3Lz+1Lo+3S 3Lz 3Lo
そして 3F+2T ・・・ひとつとしてミスはなかった。
ジャンプ以外の要素では、フライングシットスピンにレベル4、他の足替えスピンは
2種類共にレベル3。
そしてほとんどのエレメンツに、GOE(できばえ)が +1 の評価。
また、コンポーネンツ(芸術要素)に至ってはとんでもないスコアが出たーー
5コンポーネンツのうち、一番低い得点が トランジッション(要素のつなぎ)の 9.39
最高は インタープリテーション(曲の解釈) の 9.79 という高さ。
ーーもう、何も言えねぇ・・であるーーカ・ン・ペ・キ 合掌・・
それでもなお、チャンの実力を疑う人がいたなら、彼の 脚 を注意深く見るべきだと
アドバイスしよう。彼の2本の脚は、氷に立った瞬間から、プログラムを終える最後の
瞬間まで、まるで、光や氷と戯れるように踊っている。
ーーもし 『スケーターの脚 選手権』 があるとしたら、
チャンの脚 は間違いなく優勝さ!
「今日のフリーには、手ごたえを感じた。というのも、昨年のニースや今年のロンドンでの
世界選手権で、ショートでは良くても、フリーでミスを重ねた体験から、演技前はやはり、
ナーバスになっていた。最近では僕も含め皆、プログラムの中に4回転を何本も入れる
時代になっている。そのため、早い段階で体力を消耗しきってしまわないような対策を
とっていて、それも功を奏したと思っている。」~パトリック・チャン
銀メダルに輝いたのは、カナダ、トロントでブライアン・オーサーコーチに師事する羽生だ。
この、ワールド2012の銀メダリストは、朝の公式練習で、目の覚めるような 4-3 の
コンビネーションジャンプを跳んでいた。それはまるで電気ドリルのように、正確で完璧な
ジャンプだった。
が、本番は、練習通りというわけにはいかなかったーー
冒頭予定していた大技は、2度とも災難に見舞われる。
最初のジャンプを失敗、平常心を取り戻す前に2本目の 4T で転倒。
羽生のスケーティングにはスピードがあり、常にメロディの先へ先へと動いている。
時に、ゴールを急ぐあまり、冷静さを欠いてしまうことがあるが、そんな羽生にブレーキを
かけたのが、転倒というアクシデントであり、そのおかげで彼は平常心を取り戻せたようだ。
「4サルコゥを跳ぼうとする時、ひどく力んでしまうことがある。落ち着かなきゃと思うんだけど。」
~羽生結弦
転倒後、羽生は驚くべき切り替えの早さでその後の演技をこなしたが、それは彼が
いかに優れた大器であるかを証明するものだった。
続くエレメンツはどれも素晴らしかったが、数字以上の凄さを証明したのが、GOEについた
加点だ。
2つのコンビネーションジャンプ(3A-3T 、 3A-2T)には、どちらも +2点。
この2つのエレメンツだけで、なんと29点近くも稼いでいるのだ・・・!
