戦いといえば、白人との間に勃発したものと考えがちだが、視えた時代はそうではなさそうだった。
ーー敵は、他部族ーー
コロンブス発見以前だろうかーー?
いずれにせよ、対部族の争いは、避けては通れない道だったようだ。
実は、この前世の男性ーー飾りのない、いかにも戦士らしくない服装からもわかるように、好戦的
とは言い難い 『平和主義者』 とでも呼ぶべき人物であった。
ーーそもそも、自ら、一部族を率いるリーダーだと思っていないーー
『世話役』 ぐらいの謙虚な感覚しかないのである。
平和な村、男性には妻も子どももいるーー
そんな彼が、思想や個人的な思惑を心の内に閉じ込め、部族間の抗争に敢然と立ち向かおうと
する理由は、放っておけば家族や親類など、仲間達に及ぶことになる被害を何とか阻止したい
気持ちがあったからだ・・・

