ソチオリンピック フィギュア展望② Sports Illustrated~訳 | 前世の記憶 ~Past Life Memories~

前世の記憶 ~Past Life Memories~

占い師や精神科医に頼ることなく、自力で前世を蘇らせる方法。

他 映画、音楽、スポーツ関連記事も書いています。



SI.com
February 7, 2013
By:Brian Cazeneuve

前世の記憶 ~Past Life Memories~


MEN

アメリカのエヴァン・ライザチェクは、バンクーバーオリンピックで4回転を跳ばずして優勝した。

ーーこんな勝ち方は、二度とできないワザ?だろうけど・・

今では、この革新的なジャンプ抜きでの優勝などありえない。


世界フィギュア2連覇中の王者パトリック・チャン(カナダ)は、今回も優勝候補筆頭として

ロンドン(オンタリオ州、カナダ)入りする。

彼が優勝できたとしたら、同時にそれは、ソチでの優勝候補であることと同じ意味になる。

だが、ほぼ完璧といえる2シーズンを送り、早い段階からオリンピック金メダル最有力候補と

目されていたにも拘らず、今シーズンの幕開けでつまづいた。

昨秋のジャパンオープン、男子出場者6人中、最下位という結果に終わったのだーー。

さらにGPシリーズでは、母国で2位、ファイナルでは、次期オリンピック開催地であるソチで、

3位だった。


今シーズン彼のプログラムは、勝つためのプログラム~プッチーニの『ラ・ボエーム』。

しかし、先月こう言っている。

『僕は今では、優勝候補などではない 』とーー

今シーズンからは、新コーチ、新振付師、さらにどの競技会でも表彰台に立つことなど

出来ない、という新?信念・・・!どうやら、ちょっと弱気になっているらしい・・・


チャンを倒すほど腕前を上げたスケーターがいる。

ハビエル・フェルナンデス(スペイン)

彼を

クワド・キング

と呼ぶことにしよう。

ヨーロッパ選手権でのサプライズ優勝ーースペインにおける、フィギュア史上初の快挙だ。

ひとつのプログラムの中で、3本もの4回転を着氷させ、現時点で、たとえ完璧な出来栄え

でなかったとしても、世界最強のプログラム と言えよう。

『表彰台に上った時、これ、絶対あり得ない、と思ってた!』

フェルナンデスは感想を語ったが、現時点においては、何でもがあり得るーー


日本の高橋大輔と羽生結弦もまた、優勝候補だろう。

高橋はGPファイナルを征し、羽生(18才)は全日本で男子シングルの歴史を塗り替えた。

練習熱心だが、幾分熱心すぎると見られている羽生ーートロントで、ブライアン・オーサーに

師事するようになってからは、さらに腕を上げた。

2010年、東日本大震災により、故郷のアイスリンクがダメージを受け、避難所生活を余儀

なくされた。同時に練習場も失ったため、各地のリンクを転々としながらトレーニングを続けた。


ライザチェクが最高のカムバックを果たすだろう可能性を低く見積もるのは、正しくないかも

しれない。が、この前五輪王者は、バンクーバーで金メダルを獲って以降、ほとんど試合に

出ていない。今シーズンは戻るつもりでいたが、股関節の怪我により全米選手権を棄権。

4回転の必要性を理解しながらも、オリンピックで勝つためにそれを回避した彼が、今回再び

優勝するには、相当な覚悟が無ければ難しいだろう。

全米選手権で優勝したマックス・アーロンに、世界フィギュアでのメダルは期待されていない。

国際大会での出場経験が少ない彼にとっては、ジャッジのお墨付きを得ることの方が先決だ。

それが適えば、オリンピックでの見通しは明るい。


バンクーバーオリンピック銀メダリストのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)は、腰椎の手術の

ため、世界フィギュアへの出場を見送った。引退宣言こそないものの、ソチまでの1年をタイム

リミットと考えているだろう事は想像に難くない。