SI.com
February 7, 2013
By:Brian Cazeneuve
バンクーバーオリンピック(2010年)は、フィギュアスケート界における海洋交代の年となった。
過去50年で初めて、強い 『ソビエト連邦』 の伝統を受け継ぐフィギュア後継者が、全ての
種目において、金メダルを獲ることができなかった大会であり、同時に1960年以降初めて、
欧州の選手が、ひとりも優勝争いに絡まなかった年でもある。
2014年、ソチで開催されるオリンピックーーロシアでは初めてとなるこの冬季五輪で、
選手達は母国の威信にかけて、前回の取りこぼしの穴埋めを迫られるという厳しいプレッシ
ャーの下で戦わなければならない。
ーーただ今回は、新進気鋭のロシアの有力選手が束になってかかっても、表彰台に上ることは、
至難の業だ。
アメリカは、積み上げてきたはずのフィギュアの富を、ここ数年で使い果たしてしまったようだーー
かつては、常に優勝争いに加わっていた男子シングル、銅メダルを競っていたペア、そして
アステア&ロジャーズ(俳優フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャーズ)とは大違いの
アイスダンスは、トップ10に何とか入りこもうともがいていた。
ーーところが今や、アメリカが金を狙える種目はアイスダンスであり、シングル、特に男子シングル
とペアは、ほとんど望み薄・・・
来月、カナダのロンドンで開催される世界フィギュアは、オリンピック前哨戦というだけでなく、
オリンピック出場枠を得るための大会でもある。そして、各国選手達は、
『マジックナンバー13』
を、しっかりと胸に刻んでいることだろう。
規則により、12を限度として、一国の最大出場枠は3。
選択肢は2つあり、ひとつは金もしくは銀メダルのどちらかを獲ること。
もうひとつは、各国出場者のうち上位2人の順位を足した数が、マジックナンバー13以内になる
ことーーつまり、例えばある国の男子シングル上位2選手の順位が、5位と8位だった場合、
足して13となり、男子には最大の3枠が与えられる。けれどもし、同じ国の女子上位2選手の
順位が5位と9位だった場合は足して14となり、女子に関しては2枠しか与えられない。
ここ数年来の混沌とした流れを考えると、アメリカなど、フル出場枠を得るためには、来る世界
フィギュアで試される“試験”を完璧にする必要があるだろう。
ソチまで1年を切り、フィギュアスケートの主な柱となる4種目に関する展望を、この後述べて
いきたいと思う。
ーーソチでデビューを飾ることになる新種目 『団体』 も心に留めつつーー開会式の
前日にお披露目されるので、要注目だーー
続く・・・
