ある日のこと、その日も登校途中だった。
ふざけていたのか、何かの弾みで勢い余ったのか、詳細はわからなかったが、振り回した分厚い本が
少女の頭を直撃したーー
そこに少女が居たことにも気づいていなかった少年は、火がついたように泣き出した少女を見て
とんでもないことをしたと思った。
自分より2~3才年下、12、3歳のその少女は、まだ子どもに近い年令だったーー
泣きじゃくる少女に対して、ひたすら謝り続ける少年・・
ーーこれが、双子のNさんとの出会いだったーー
その村?では知らぬ者がいないほど有名だった少年のことを、少女も勿論知っていた。
ーー裕福な家庭のお坊ちゃまであり、学校に通う姿もほとんどの村人が見ているーー
出会いは、アクシデントに満ちたものだったが、本当は怖くない?(乱暴ではない)人物だと
知った少女が、少年に対して好感を抱くのに、時間はかからなかった。
そして少年の方も、同じ・・・
その後二人は、ままごとのようなデートを重ねるようになっていくーー
