その夥しい数の兵士達が行軍する景色は圧巻だーー
掛け声に合わせて、足並みを揃えるのだが、その速度がもの凄く速いのだ・・
一定のリズムを刻み、整然と進んでいくーーそれは、現代人に重い装備をつけたまま、同じ速度で進むことを強要されても、ほぼ不可能と思えるスピードだ。
当然、古代ローマファンであるから、速いことは知っていたが、前世の映像で見えたものは、想像をはるかに凌ぐものだったーーー
そして
旗を持つ前世の夫の気分は高揚し 戦いに挑むその気力の漲っている 感じが、ビシバシと伝わってきた・・
ちなみにーー軍旗を掲げ持つーーという行為は、真っ直ぐ高々と掲げるものだ、と私は想像していたが、実際にはーー立ち止まっている時は別として、少なくとも行軍中は、斜めに抱えつつ進んでいた。
勿論、旗先は頭上高く掲げているのだが、棒は斜めにしている。
考えてみれば、真っ直ぐ立てたままだと棒が行くてを遮って歩けないから、当然のことだが・・
ーー行軍の途中なのか、突然、とてつもなく高いコンクリートの壁が目の前に現れた。
陸橋の橋げたと思われるその建造物は、間違いなく 水道橋 だーー
視界を遮る背の高い建物の一切無い広い平原のはるか向こうまで、その水道橋は一直線に見通すことができた・・


