イケメンの学生に恋をした前世の少女は、学生が川沿いに現れる時間を見計らって、そこに通うようになった。
それは、少女ひとりでだったり、友だちを誘ったりして2人で来ることもある。
学生の方も時に、連れと出会い、立ち止まって雑談することがあり、少女はそんな彼を遠巻きに、心をときめかせつつ眺めたりしていた・・
彼に恋をしてからというもの、彼女の毎日は、夢のようにワクワクとした楽しい日々へと変わっていた。
ーーはいからさんのような姿から伝わってきたワクワク感ーーそれは、恋する乙女の気持ちであり、その楽しくて仕方がない感情が、美容院で感じたものだとわかった・・
ーーがーー
ここまで見えたところで、はたと行き詰まった。
少女は、麗しき学生を遠くから見つめるだけで、恋が一向に進展していかないのだ。
学生からのアプローチもないーー。
この前世の恋の結末を知りたいと、前世を見ている私が一番ワクワクしながら待っているにも拘らず、事態は動こうとしない・・
痺れを切らした私は
奥の手?
を使うことにした。
つまり、帝大生らしき 学生の側から、前世を見る ーーというものである。
彼が彼女のことをどう思っているのかーー彼の側から見れば、心の内もわかるに違いない・・・
