白塗りの顔、ぽっくりのような履き物ーー
頭には烏帽子、装束も平安時代ではないかと思われる
男性 だった。
上の写真のように、装束の色は 白
季節は 夏 もしくは 初夏
夜が明けつつある時間帯、朝焼けの空の下、浜辺を歩いていた。
浜から続く丘の上には 東屋 が建っている。
その東屋へ行くには丘を登らなければならないのだが、上のような 『あさぐつ』 で登るのは困難なためか、斜面に沿って、縦30センチ、横1メートルほどの白っぽい板が階段のように、建物の入り口まで順に並べられている。
板を踏んで登っていく前世の男性は、東屋に入っていった。
ーー部屋は二十畳ほどかーー家具・調度は無く、三方にある窓は海に向かって開かれている。
浜から東屋まで登ってくる間もそうだったが、この東屋からも朝焼けの景色が素晴らしくよく見えた。
ーー現代のような騒音やレジャー客の姿も一切無い静けさの中、奇跡のような美しい朝焼けが・・
東屋では女性がひとり、前世の男性を待っていたーー

