父である領主を亡くした息子ーー
幼い時の無邪気で愛らしい仕草が、前世の男性の脳裏に、昨日のことのように蘇ってくる。
しかし、目の前にいる青年は、苛々した顔で自分を見据えていたーーー
ーー前世の男性を見下し、残酷な表情を浮かべている・・・
ーーー何かに追われるように、数字を書き込んでいく前世の男性の姿ーー
解けなければ、命に関わる、とでもいったようなーー!
恐怖が全身を駆け巡り、ついに、あの幸せな日々を過ごした野原で
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ーーー最後の映像が、いったい何を意味するのかーー何度かトライしてみたが結局解らなかった・・
何故命の危機に直面しなければならなかったのか
どういう理由で・・・?
相変わらず曖昧な結果に終わってしまったが
ただ、この前世を見始めた当初から、あまりに出来過ぎた話だと思い
自分の見たものに、疑いすら抱くほどになっていったーー
というのは、確かに最初は 数学 がテーマということに驚いたが、話が進むにつれ
また、登場人物たちが、亡き父の身内ばかり、といった狭い枠の中で進んでいることに
気づいたりもし、それらが尚のことそう思わせたのだ。
なんのこっちゃ、と思われると思うので次に記したいと思う。
新潟が故郷である私の祖父(父方)は、小学生の頃から成績優秀で
上京して旧制第一高等学校を経、東京帝国大学に入学。
その後、大学教授の道を歩み、何冊か専門書の出版もしている。
父は、そんな祖父の長男として生まれた。
8人兄弟姉妹(うち2人は出生後間もなく死亡)の長男である父に対する祖父の期待は
あまりに大きかった。
成績が悪いと正座させられ、激しく叱責されることは何度もあったそうだ。
しかし父の成績は伸び悩み、帝大など夢物語となる。
お気楽なその他兄弟たちも、教育熱心な祖父の期待に答えようと頑張った。
その中、次男が一浪した後 帝大の入試(理系)を受けて合格した。
祖父の喜びようは、相当なものだったらしい・・・
ーーーつまり、この3人(父、祖父、次男)が、前世の登場人物たちなのだーー
