存在しない人の前世③ | 前世の記憶 ~Past Life Memories~

前世の記憶 ~Past Life Memories~

占い師や精神科医に頼ることなく、自力で前世を蘇らせる方法。

他 映画、音楽、スポーツ関連記事も書いています。




前世の男性は、王、もしくは領主?の許で数学の家庭教師を務めていた。


男性よりいくつか年下ーー30歳ぐらいの若い領主は、快活で子煩悩だ。

2歳ぐらいになるひとり息子は、無邪気に自分で工作?した物を教師に見せにくる。


この領主は、数学ーー 『幾何』 と言っているーーがとてもよく出来るわけではない。

けれど、とにかく数学が好きで、前世の男性の 数学を大切に思う気持ち 

とてもよく理解していた。


なので、前世の男性が時間を気にすることなく、好きなだけ研究に専念できるよう配慮してくれたし

生活に困らないよう、十分すぎるほどの経済的援助も与えていた。


領主の思いに呼応するように、城に勤める人々も等しく前世の男性を尊敬している。


前世の男性は、良き理解者を得、そして皆から尊敬されてとても幸せだった・・・



ーーーしかし、その幸せはいつまでも続かなかったーー


息子が成人(今の、20才ぐらい)に達するころ、領主は突然の死を迎える。


そして、幾何が全く出来ない息子は、父の死後、前世の男性の存在を疎ましく思うように

なっていく・・・