薄茶に縦じまの着物
腰からは細長い、黒い前垂(エプロン)
足もとには黒い足袋に草履・・・
端正な顔立ちの、30歳前後に見えるその男性は
細い、すらりとした体つきである。
客と談笑しつつ、愛想のよい笑顔を振りまいている。
それは、いかにも商売上手といったふうで
そつがない。
写真のような格子の囲い(?)の中に座っていた。
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※この格子の囲いは
帳場と客を仕切るために置く帳場格子のことで
結界 と呼ぶらしい。
営業や事務仕事、雑用まで
お店のすべてといっていいほど
ほとんどの仕事を任されているらしいその男性は
番頭さんのような立場にあるのか
朝早くから夜遅くまで働き、最後の戸締りをして
仕事を終える。
小枝を売る商売と思った最初の映像は
お店兼店主宅の風呂用の薪が無くなったので
それを調達した時のものだった。
番頭という地位にありながら
薪用の小枝集めに奔走するーーー
見習いの身である丁稚は
そんな先輩の姿に何を思ったかーー
手招きする丁稚の表情に
蔑んだものはなかった。
二人の女中が噂話に花を咲かせ
ころころと笑いながら
小枝を風呂の焚口に放り込んでいる
映像が見えた。
