愛猫のことで頭が一杯だった時は
前世を見ることはなかった。
それでも、亡くなる1週間ほど前
奇跡的に、元気を回復したような日があった。
嬉しくてほっとして、気がついたら
新しい(?)前世が見えていたーー
ーーーそれは、4度目の
日本人としての前世だったーー
最初見えたものを、理解しようとすることは
難しいと思えた。
何故ならそれは、押し車の上に満載された
小枝の山だったからだ。
夜ーーー幅の狭い道を挟んで
丁稚
のような格好をした少年が
『越後屋』
のような店(越後屋よりははるかに小規模だったが)
の前で
"こちら、こちら"
と、灯かり(提灯?)を持ち、手招きしている。
小枝を売る商売・・・?
それを生業(なりわい)としていた前世なのかーー?
この時は判らなかった。
再び飼い猫の具合が悪くなって
その答えを知ることになるのは
さらに日を経てからのことだった・・・

