烏帽子を被ったお供の男性が
身体を直角に折り曲げて挨拶している。
屋敷の縁側ーー簀子(すのこ~濡れ縁)と云うらしい
で、十二単衣のような衣装
を着た女性が三人、饅頭みたいなもの
ーーーそんな光景が、ばらばらと見えた。
そして、前世の女性に関しては
驚くほど
小さな白い手
を見た。
現世の私自身の手も小さい方だが
それ以上だ。
ーー但し、子どもの手ではない。
白い着物に袴で、居室で
行儀よく座っている。
それが、びっくりするほど小柄だ。
今の感覚で見るからそう思うのか
平安の時代にあってもやはり小柄だったのか
そこはわからない。
そして、冒頭に見た無表情の印象とは違い
年も若く、幼く見えた。(重ねて言うが子どもではない)
そんな前世の女性が机に向かい
手にした筆で書いていたのは
決して届けられることのない
恋文 だった・・・
