簾を押し上げて、居室に入ってくる男性がいる。
前世の女性は、白い打掛(?)のような着物を
重ね着して布団の上に座っていた。
ーーその襟もとに、男性の腕が
するりとすべり込んでくる・・・
その瞬間、思わずTシャツの胸元を
押さえたーーー
・・感触が、あまりにリアルだった・・!
ーーあの庭にいた男性だろう。
白い着物が、何本かの腰ひもが
畳の上に散らばっている・・・
婚姻の儀式のようなものに感じた。
しかし、女性は喜んでいたわけではない。
かといって、とても嫌だったということでもない。
ーー確かなことは、男性に恋していない
ということだった・・・
