北国の孤独⑤ 生きる糧この前世の冒頭に見えた景色の中で 人気のない雪道を、ひたすら歩く 前世の自分(小平太)がいた。 後にこれは、収穫した野菜を手押し車に乗せて 人里に向かう小平太の姿だと判った。 黄色い、ごろごろした大きなカボチャが 車いっぱい載せてある。 裕福な家を回っては売り歩くのだが 冷たくあしらわれたり、不当に安く買い取られたり また不作の年もあり、生活は常に楽でなかった。 家に戻ると、コウがおなかを空かせて待っていた・・