お菓子を買いに来たのに、少女はお金を持っていない。
側に付いている、同い年ぐらいの男の子が
預かってきていたお金で払っている。
使用人の子だ。
少女の私が、買ったお菓子を分けて
男の子にもあげようとすると
男の子は
『いらない』
と言って、決して受け取ろうとしない。
少年の立場、少年としての意地ーーー
そんなものが全く理解できない私。
また、しようにも幼すぎてーーー
まるで自分自身を拒否されたように感じた
その瞬間のイメージがリアルに蘇り
涙を拭いている自分がいた・・・
ターニャ、ターニャ
母が呼んでいた。