松五郎
これが、前世の男性の名前らしい。
現代では、犬の名前みたいでダサい
印象を持つ人が多いかもしれないが、当時としては
流行の先端で、イケてる名だったようだ(?)
父は
阪三郎
母は
とし
阪三郎は背が高く、体格も良い壮年の男だ。
武士である父は、白っぽい羽織と袴を身に付け
胸を張っている。
背が高いこともあって、派手な印象を与えている。
母親の とし は、父と比べてかなり年が若い。
2、30才位離れているようだ。
(後妻なのか、若くして嫁いだのか・・・)
髷に手拭いを巻き、たすき掛けにエプロン。
帯は黒で、着物はグレーのちりめん。
夫とは対照的に、とてもシックで質素だ。
ーーー松五郎の好みに似ている。
厳格で、支配的に振舞う父に対して
松五郎は、常におっとりとして物静か。
ぎょろりとした大きな目を持つ父に対して
松五郎のそれは一重。
何もかもが相反するこの父子の仲は
少なくとも、松五郎サイドから見れば
好くなかったようだ。