この日、見えたのは旅装に身を包んだ男ーーー
ただし、ひとりではない。
横に、道連れがいた。
旅装を身に付けた私の前世らしき(?)男は
名を
生方(うぶかた)
と名のり
道連れは
遠藤
と云う。
・・・情報活動のため、本名かどうかは疑わしいらしいがーーー
二人、ぴたりと寄り添い歩いている。
(別に、ヘンな関係ではない)
遠藤は、旅装ではなく
袴も着物もよれよれーーー
時代劇に見る 『素浪人』 のような出で立ちだ。
どこででも見かけるような、平凡な着物を身に着けていた。
ーーーすでに、ティーンエイジャーではなく
二十歳代の落ち着いた青年になっていたーーー

