矯正治療において近年ますます重要性が高まっている「アンカースクリュー」。従来の矯正治療では、歯を動かす際の固定源(アンカー)として他の歯を利用するや、ヘッドギアと呼ばれる顎外固定装置やパラタルバーを併用してアンカレッジロスを防いでいましたが、動かしたくない歯まで影響を受けてしまうという課題をいかに克服するかという事に我々 矯正歯科医は重きを置いておりました。そうした中で登場したアンカースクリューは、顎の骨に小さなスクリューを一時的に埋入し、強固な固定源として利用することで、より精密かつ効率的な歯の移動を可能にした画期的な治療法です。
アンカースクリューの最大の利点は、治療の正確性に利する点にあります。例えば、これまで難しかった大きな歯の移動や、抜歯症例におけるスペースコントロール、さらには治療期間の短縮にもつながるケースがあります。また、患者様の負担軽減にも寄与し、ヘッドギアなどの外部装置に頼らない治療が可能になる点も大きなメリットです。安全性や低侵襲性も向上しており、現在では多くの矯正歯科で日常的に使用されるようになっています。
もちろん欠点が無いわけではありませんが
我々が治療計画を立てる上で重要な要素になっています。
現在 歯科材料メーカー数社からアンカースクリューが販売されていますがうちのクリニックで使用しているのが株式会社プロシードが販売している「デュアルトップ」。
操作性の良さや安定性の高さから、多くの臨床現場で信頼されており、私自身も日々の診療の中でその性能を実感しています。今回、このデュアルトップを製造している韓国のメーカー・Jeil社を、プロシード様のご招待で見学させていただくという貴重な機会をいただきました。
Jeil社の施設では、製品開発から製造、品質管理に至るまでの一連の工程を詳しく見学することができました。特に印象的だったのは、ミクロン単位での精密な加工技術と、徹底した品質管理体制です。アンカースクリューは非常に小さな医療機器でありながら、患者様の体内に使用されるものであるため、わずかな誤差や不具合も許されません。そのため、製造工程では最新の機器と厳格な検査体制が導入されており、一つ一つの製品に対する高い責任感を感じました。
また、製品の設計においても、臨床での使いやすさが細部にまで反映されていることが分かりました。挿入時のトルクのコントロールや初期固定の安定性、さらには除去のしやすさなど、実際の使用シーンを想定した工夫が随所に施されています。こうした背景を知ることで、普段何気なく使用している器具に対する理解が一層深まりました。
さらに今回の訪問では、ソウル大学病院も見学させていただきました。教育・研究の最前線に位置する施設として、最新の設備と充実した研究環境が整っており、非常に刺激的な時間となりました。矯正歯科分野においても、基礎研究から臨床応用に至るまで幅広い取り組みが行われており、世界的な水準の高さを実感しました。学生や研究者の方々の熱意にも触れ、自身の臨床に対する姿勢を改めて見つめ直す良い機会となりました。
今回の見学を通じて強く感じたのは、優れた医療技術は確かな製品開発と研究の積み重ねによって支えられているということです。アンカースクリュー一つをとっても、その背後には多くの技術者や研究者の努力があり、その結果として私たちは安心して治療に使用することができています。
日々の診療の中では、どうしても目の前の治療に集中しがちですが、今回のように製品の背景や研究現場に触れることで、より広い視点から医療を捉えることの重要性を再認識しました。これからも常に学び続け、より安全で質の高い矯正治療を提供できるよう努めていきたいと思います。
最後に、このような貴重な機会をご提供いただいたプロシード様に心より感謝申し上げます







