雨と泪 -117ページ目
自分の立ち位置がなかなかわからない
スクランブル交差点の真ん中のようで
海に浮かぶ無人島のようにも感じる
声を大にして存在証明しているようで
呆然と立ち尽くしているだけのようでもある
居酒屋の片隅でちびちび酒を飲んで
孤独を感じながらもそれでいいと思い込む
桜の木の下で 盛り上がる人を
遠めで見守りつつ気持ちだけは一緒に
どっちつかずの足場を
孤独という単語で片付けて
会話に参加できないグループに属してみる
そんなことをしたところでわかるのは
自分の不甲斐なさと 情けなさと
考えの甘さだけだというのに
理想に近づくために 理想を曲げつつ
限界を簡単なモノに変えて
今日も流れていくのだ
夕闇に咲く桜の花の優しさが
あなたの言葉とダブって見えた
忘れていたはずのあなたの声が
少しずつ鮮明になる気がして
あなたと過ごすことがなかったこの季節が
どうしてこんなにも懐かしくて愛しくて
暖かい陽気が僕の心を
柔らかく揉みほぐしてくれるんだ
君はきっと春の香り
古風でポップな抱きしめたい身体
この桜の木の下で
来年も君の事を想えばいいのかな
何かが変わるわけじゃないけれど
わけもなくまた繰り返していくよ
個々の会話に欲望が乱れ
快楽に浸るための集団が蔓延る
生理的に受け付けない笑い声に
しかめっ面になってしまうのを悟られないように
自らも快楽を求め夜の街を行く
街の醸し出す高揚感に身を任せて
純粋な愛は何処で死んだ?
叫ばれる純愛にそれを感じる
理想の恋愛を求めれば
そこに待っているのは別離で…
創られ 彩られた物語に
枯れ果てた涙を持っていかれる
ねぇ 君はどう思うだろう
欲望という名が似合うこの世界を
悪くはないよ この世界も
公衆浴場の風呂桶に浸かる感覚
僕にはちょっと熱すぎるみたいだ
ぬるま湯くらいがちょうどいい
ぼんやりするくらい
時間間隔がないよ
誰もいない布団の温もりに
ゆっくりと包まれながら…