店の片隅に眠る君を

僕は愛しい眼で見つめる

 

君は知る術もないだろう

商品という形で羅列する中で

 

己の姿を好奇の目で

我が物にせんとする思惑を

 

刻む奇妙なビートに

身に受けながら

 

店内の明かりが落ちて

保管されるだけの存在になる

 

己を照らす明かりも

包み込む奇妙なビートもない

 

でも 君は知らないだろう

君を想う気持ちを

 

君から遥か遠く

想像もつかない場所で

 

密かに思い続ける

僕という男の存在を

脱力した身体を

湯船に浮かべる

 

遠のく意識に身を任せ

瞼を閉じて その世界に身を置く

 

毎回違うその世界に

多少の戸惑いを感じながら

 

繰り返す

頼りない思考を

 

繰り返す

与えられた役割を

 

 

忙しなく動く店員の横を通り

ファミレスのトイレに入る

 

便座に座りふと横を見ると

平凡な顔が出迎えてくれた

 

くたびれた顔をしていたので

顔を崩して面白顔を作ってみる

 

ぜんぜん笑えない皺くちゃの顔は

どこか寂しさを秘めているように感じた

 

 

店内で談笑する人々は

笑みを絶やさず騒がしい

 

学生仲間らしい四人組

どちらも似た男女ペア

 

体に馴染んだ背広の三人組

酔った顔で下品に笑う

 

厚い化粧に包まれた二人組

コーヒーだけで二時間粘ってる

 

 

店内の喧騒の中

近況を話す二人

 

お互いの心境を

愚痴交じりに話す

 

やる気に燃えた一年と

それに失望した今を繋ぐ

 

嘲笑交じりのその顔は

あの頃と変わることはないのに…