注意喚起!SFTS(重症熱性血小板減少症候群)陽性が相次いでいます! | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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野良猫に関わるさまざまな人間模様でぐったりなっていましたが、

 

今までと変わらず、診察に励み、TNRに励み、補助犬普及活動のために動いています。

 

 

 

さて今日は、みなさんに、大切なお知らせです!!

 

 

当院に来院される飼い猫で、

 

『SFTS(重症熱性血小板減少症候群)』陽性が出ました。

 

 

今回お伝えしたいことは、

 

SFTSという病気の存在

 

SFTSに対しての対策

 

についてであって、

 

きちんとした知識をもってもらうことが願いです。

 

 

 

鹿児島危険らしいよ!とか

 

あの地域やばいらしいよ!とか

 

そういうところが問題ではないです。

 

どこでも起こりうる問題に関して、

 

正しい知識をもとに、どうすべきか考えてもらいたいのです。

 

 

 

『SFTS』ウイルスは、マダニが媒介する感染症で、人にも感染することがわかっています。

 

ウイルスに感染し発症した人は100%発熱することがわかっていますが、

 

自覚症状はあまりないそうです。

 

食欲不振や胃腸症状が出る場合があるみたいですが、

 

重症の場合は、死に至ることがわかっています。

 

 

 

九州圏内でも、宮崎や鹿児島は、人での感染報告が多い地域でもあります。

 

死亡例ももちろんありますし、

 

私たち獣医師や動物看護士が感染した例もあります。

 

 

 

(国立感染症研究所のHPより抜粋)

 

 

 

 

犬猫が感染した場合は、

 

食欲不振、発熱、嘔吐

 

白血球数や血小板数の減少

 

黄疸

 

などがみられます。



ちなみに、


感染して発症するまでにかかる日数は、


そんなに長くなく、


長いケースでも、数週間だそうです。


 

 

 

 

うちの病院を来院された猫ちゃんたちも、

 

食欲不振や発熱、嘔吐からはじまり、

 

血液検査を実施すると、白血球数や血小板数の減少がみられ、

 

翌日には黄疸が出てきて、

 

その後数日以内に、意識がなくなり、亡くなってしまっています。

 

 

 

 

本当にあっという間に亡くなってしまいます。

 

 

 

 

SFTSに関しては、有効な治療法が未だに見つかっていません。

 

8割近くが、命を落とすこともわかっています。

 

 

だからこそ、感染しないために、

 

最大限にできることをしていただきたいのです。

 

 

まずは、

 

感染する原因となる『マダニ』予防をしてもらうことが大事だと思います。

 

 

 

 

うちの患者さんでも、

 

「マダニは見たことがないから大丈夫」

 

と言われる方がいらっしゃるのですが、

 

室内飼いのわんちゃんの鼻のあたりに『ダニ』がついていることがありました。

 

 

(室内飼いのトイプードル:真ん中の黒っぽいのがマダニです)

 

 

また、今回SFTSで亡くなってしまった猫ちゃんも、

 

室内飼いの子でした。

(ただし、どの子も、ノミダニ予防を実施していませんでした)

 

 

つまり、

 

飼い主さんが知らないうちに、マダニに接触している機会があるかもしれない

 

ということなのです。

 

 

 

 

今回のこのお話で、

 

『SFTS』は怖い病気だ

 

と思ったのであれば、

 

まずはきちんと『ノミダニ予防』をしてあげてください。

 

 

ノミダニ予防薬は、基本的に


ダニが吸血して薬が入り、24〜48時間かけて死に至る仕組み。


だから、ダニを寄せ付けないというわけでなく、


一度は皮膚を噛まれてしまうのです…



ノミダニ予防では防ぎきれない部分もありますが、


やらないよりかはやった方が断然いい!!



ちなみに、


市販のノミダニ予防薬を使っている飼い主さんもいらっしゃいますが、


シャンプーしたり、雨に濡れたりすると効果が落ちたり、


普通の生活をしていても、医療用に比べると効果が低かったりするので、


なるべく病院で売られているものを購入すべきです。



 

 

『SFTS』ウイルスは、

 

血液、涙、唾液、尿、便から排泄されます。

 

 

 

もしも、おうちの子が『SFTS』に感染した場合、

 

トイレの掃除をしたり、スキンシップをしたりする飼い主さんにも

 

感染してしまう可能性があるということなのです。

 

もちろん、

 

トイレを共有している同居犬猫たちへも感染する可能性があります。

 

 

 

一時期、

 

野良猫の世話をしていた方が『SFTS』に感染し、亡くなった

 

という報道から、

 

野良猫がSFTSをばらまいている

 

ような報道がされていたことがありましたが、

 

必ずしも野良猫が原因とは言えないと思います。

 

 

たしかに野良猫にマダニがついていることもありますが、

 

マダニがいるからといって、必ずしも『SFTS』陽性というわけでもありません。

 

 

野良猫が減ったからといって、

 

この『SFTS』が収束するわけでもないわけです。

 

 

だから、野良猫が原因という報道だけはやめていただきたいと思っています。

 

 

 

マダニが媒介する以上、誰にもわからないことですし、

 

マダニ予防、マダニ対策をしていなければ、感染の可能性は上がります。

 

 

 

 

野良猫が原因などというデタラメなことをいって、

 

野良猫を煙たがることをするのではなく、

 

まず自分たちができる対策に注目していただきたい。

 

正しい知識をもって、正しい判断を・・・