ペットショップはどこまで犬猫のことを考えて売っているのだろうか? | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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すべてのペットショップが悪いとは言わないけれど、

 

どれほど犬猫のことを考えて売っているお店や店員さんが存在するだろうか?

 

 

本当に旅立つ子たちが一生涯幸せに暮らせるように・・・

 

と願って仕事をしているんだろうか?

 

 



飼う能力がない人に無理やり売ったり、

 

高齢で身寄りがない人に気軽に売ったり、

 

そういうことをしているお店や店員さんに対して納得がいかない。

 

 

ノルマがあるお店もあるらしく、

 

ノルマのために必死に売ろうとする店員さんもいるのも事実。

 

命にノルマってなんよ?て言いたいけども。

 

少しショーウインドウを眺めているだけなのに、

 

「かわいいでしょう?抱っこしません?」

 

と軽々しく声をかけてる姿をみたり、

 

「今買わないと売れてしまうかもしれないですよ?」

 

「今買うか決めたほうがいい」

 

と衝動買いを煽るような言い方をしている姿をみたり、

 

 

あ〜いやだなぁ

 

とげんなりします。

 

 

 

本当に旅立つ子が一生涯幸せに暮らせるように・・・

 

と思っていたら、そんな言動って絶対できないと思うから。

 

 

 

 

動物が好きで就いた仕事なのだとしたら、

 

そんな言動をしてしまう人にしてしまったお店や世の中も悪いのだと思うのです。

 

 

 

 

精神的に不安定で飼育能力がない人に対して無理やり販売し、

 

身内が飼育能力がないため飼えないという旨を伝えたのにも関わらず、

 

取り合ったくれない例があったそうで・・・

 

 

本当にその子のことを思えば、

 

新しい飼い主さんの元へ送り届けるのがベストだと思うのですが、

 

無理やり売ったお店は、『できない』の一点張り。

 

 

 

規約にあるにしても、

 

規約の理解ができない人に対して、果たしてどの程度噛み砕いて説明をし、販売手続きをかわしたのだろうか・・・

 

 

 

 

高齢で身寄りがない人に対しても、

 

これから20年近く生きるかもしれないけど・・・大丈夫?

 

という説明もなしに、販売手続きをしてしまうケースも。

 

 

久々に遠方から実家に帰った子供さんがそのことを知ってビックリされ、

 

もしも犬猫が取り残されたら、自分たちは引き取れないし、どうすれば・・・

 

というケースもあるんです。

 

 

 

どちらのケースも、

 

自分で飼ったんだから、

 

理由があって飼えなくなったら、自分でなんとかしろよ

 

というのがお店の言い分。

 

 

 

 

 

確かに、

 

『命を買う』と決めたのはお客さん。

 

 

でも、中には、軽い気持ちで「飼おうかな」と思っている人もいるのです。

 

 

しかも、この軽い気持ちを起こしているのが、

 

さっきの煽るようなペットショップ側の売り方の場合もあるのです。

 

 

 

ペットショップは、そういった人に対して正しい説明をして、

 

正しいアドバイスをすべきところだと思っています。

 

 

もしも、それができないんだとしたら、

 

ペットショップは一刻も早くなくなってもらいたい

 

とも思っています。

 

 

 

だって、安易な気持ちで、『命』と向き合ってほしくないから。

 

 

 

 

生きている限り、

 

お金はかかります。

 

 

ご飯も食べるし、トイレもする。

 

 

病気もするし、ケアも必要。

 

 

シャンプーをしたり、カットをしたりする必要だってある。

 

 

すべての要素をクリアできる人だけが、『命』を預かるべきだと思うんです。

 

 

 

ただ・・・

 

飼ったことがない人からしたら、

 

どういうことが待ち受けているか想像つかないことだってあると思うんです。

 

それを明確に伝えるのが、売る側の責任だと思っています。

 

 

 

 

本当に旅立つ子たちが一生涯幸せに暮らせるように・・・

 

と願っていれば、

 

こんなことわざわざ言わなくても、自然とできることだと思うのですが。

 

 

 

 

よく動物病院に来て

 

「はぁ・・・お金がかかるわぁ」

 

という言葉を耳にするのですが、

 

そのたびに正直ムカッとします。

 



 


「私ですら美容室に行くの我慢してるのに、数ヶ月に1回カットって贅沢だわ」

 

という人も多くいます。

 

 

カットするのにお金をかけたくないなら、

 

カットしなくていい犬種を飼えばよかっただけなのです。

 

 

完全に自分のリサーチ不足。

 

 

 

そういう人に限って、病気をしたときも

 

「お金がかかる」

 

というものです。

 

 

 

生きものだから、何があるかわからないもの。

 

自分も、いつ何時、なにが起こるかわからないでしょう???

 

 

 

本当に旅立つ子たちが一生涯幸せに暮らせるように・・・と願うなら、

 

ペットショップは、もう少し

 

本当に飼っても大丈夫か?

 

と押し売りしないやり方であってほしい。

 

むしろ、出し惜しみする感じで接客してほしい。

 

と思っています。

 

 

 

私が知っているペットショップの中には、

 

小さいお子さんがいて落ち着きがなかったり、キャーキャー騒いだりしているお家に対して

 

「まだペットを飼う状態になってないかもしれないですね。

 

 もう少しお子さんが大きくなってから、飼ったら?」

 

とアドバイスしたり、

 

高齢の身寄りがない人が買いに来た時に、

 

「ごめんなさい。売ることができません。」

 

と断ったり、

 

そんなお店も存在します。

 

 

 

むしろ、

 

そんなお店やオーナーさんばかりであってくれたらな

 

と願っています。

 

 

そしたら、

 

むやみに飼う人もいなくなるだろうし、

 

安易に買う人もいなくなるだろうし、

 

簡単に手放す人も少なくなると思うから・・・

 

 

 


殺処分ゼロだけ取り上げられていますが、

 

動物を人が飼うという『蛇口』部分にも問題があると思っています。

 

 

 

むやみに子犬子猫を増やさない

 

むやみに売りさばかない

 

 

その部分を減らすことだって、

 

殺処分ゼロへの道の一つだと思っています。

 

 

 

誤解してほしくないことは・・・

 

ペットショップだけでなく、ブリーダーも、全部が悪いわけでないということ。

 

ちゃんとしているお店やブリーダーもあるんです。

 

 

全部ひっくるめて批判されるのは、かわいそうだなと思うこともあります。

 

 

問題なのは、

 

ちゃんとできているものとできていないものを識別することができないこの世の中だと思うんです。

 

 

あ、動物病院も一緒か・・・

 

ちゃんとしてると表向きは言っていても、

 

いろいろ偽っているところもあったり・・・

 

 

 

 

いつか本当のものだけが残る時代になってほしいな

 

と願っています。