「かわいそう。なんとかしてあげて。」
そう口にするのは簡単なこと。
そう言われて動くことができる保護団体や保護活動をしている人はすごい
と私は個人的に思うのです。
（費用がかかっても、ちゃんと必要なことをすべてやって保護しているお家もたくさんあります。）
かわいそうって言う人はタダですから・・・
でも、実際動く人は、お金も時間も労力もかかる。
「かわいそう。なんとかしてあげて。」
と言う人は、
お願いした人や団体に、いくらか寄付すべきだとすら思っています。
だって、丸投げして、実際は何にもしてないんだから・・・
保護できない理由はそれぞれあるでしょうけど、
できないことをやってくれる人に対して、
言う以外の何かをプレゼントすべきだと思うのです。
そんな保護活動であっても、
信じられないかもしれないけれど、
多頭崩壊になるケースもあるのです。
里親さんが見つかるまでの間、家で保護する
というところからスタートするのですが、
みんながみんな、里親さんが見つかるわけではありません。
保護した子たちは、病気にかかっていることもしばしば・・・
医療費だってかかるもの。
それから・・・
保護した子達が避妊去勢手術をしている可能性は低い。
なので、
オスメス問わず保護するとなったら、
部屋を分けるか、ゲージで飼うかしなければ、
交配してしまう危険もあります。
つまり、
保護している間に、避妊去勢手術をしてあげるほうがいい
ということになりますよね。
となると、避妊去勢手術のための費用がかかる。
保護している数がある程度あると、
保護している期間かかるご飯代やトイレ代、
保護している期間にかかった治療費など
かなりの出費が伴います。
頭数にもよりますが、
それらの出費があることで、
避妊去勢手術まで至らない
というケースもあるわけです。
そんなこんなで、
保護しているお家で繁殖してしまったケースもあります。
それから・・・
発情が来ることでおきるストレス
縄張り意識が高くなっておこる争い
などが続き、
マーキングなどトイレトラブルが増えたり、
保護している子達の喧嘩が起きたりすることもあります。
それは、過密化すればするだけ、エスカレートしていきます。
こうして、
もともとは、動物が好きではじめた保護活動。
だけど、気がついたら、多頭崩壊になってしまってる
ということが起きうるのです。
大きなところほど、
数を多く保護しているところほど、
避妊去勢手術も含めた管理をしなければいけないのでは
と思います。
保護団体であっても、
保護施設が立派である必要はなくて、
保護されている子が幸せに笑顔で暮らせるだけでいいのだと思うのです。
そのために、費用をかけるポイントがどこなのか？
常にそこを考えてもらいたいなと思っています。
施設が安っぽくても、
みんな避妊去勢手術を受けて、ストレスフリーの中で生活して、
過密化することなく、のびのび暮らせて、
いい飼い主さんに出会うのを待つ・・・
それが理想だと思うのです。
保護活動をいい環境で続けるには、
本当にたくさんの努力が必要だと思っています。
それをちゃんとできている人を心から尊敬しますし、
だからこそ、私にできることをしてお手伝いしたいとも思うのです。
あの先生、えらい協力的じゃない？って思う人
不審がる人
いろいろいますよね。
私が保護している人や保護団体に協力する理由は、
私自身保護できないことをしてくださっているから。
私自身ができない部分をしていることに尊敬や感謝をし、
私ができる部分でサポートしたいから。
本当に動物を大事に扱ってくれている人
私と同じ思いで動いてくれている人
ともに信頼しあえる人
その下で動いています。
家で保護している子がたくさんいるから、
とにかく1人でも多くもらってもらいたい
と考える人もいます。
たくさんの子をお世話する大変さは理解できるのですが、
命の安売りにはならないでほしいのです。
その子が幸せになれるかどうか
それは保護している人の面接次第ですから。
無償で猫がもらえるなら、もらっちゃおうかな
と安易な気持ちで飼う人をきちんと選別してほしいのです。
動物病院で
「こんなにお金かかると思わなかった」
という言葉を耳にすると、
残念な気持ちになります。
命ですから、生き物ですから、
私たちと同じようにお金はかかります。
犬猫を飼うということは、子供が増えたのと同じだと思ってほしいです。
とお伝えするようにしていますが、
そう呟く人は、命を迎え入れることを安易に考えていたのだろうなと思うのです。
猫ブームとかなんとかメディアが取り上げて
ここぞとばかりに、猫グッズや猫アイテムとか便乗商品が出ているし、
猫を譲渡する数は増えていっているけれど、
本当に心から猫と向き合おうと思って飼ってくれてるお家は
どれほどあろうだろう
と心配になることもあります。
最近
「先生のところで、生後２ヶ月でも避妊去勢手術をしてくれるから、安心して里親さんに出せる。」
と言われることが増えました。
この言葉を聞くと嬉しいんです。
私も同じ気持ちだから。
安易な考えの飼い主さんともしも譲渡を交わしてしまった場合、
譲渡するときにきちんと避妊去勢手術をすることを伝えるものの、
費用がかかるから・・・と言って手術してもらえてないケースもあるんです。
そんなお家に限って、
「かわいそう・・・」
とこれまた安易な気持ちで、もう一頭猫を拾って帰ってきてしまったりするもの・・・
オスメスペアで
１年後には、すでに１０頭近くになってしまった
ということも少なくないのです。
実際、そんなお家を何件も見てきています。
だからこそ
里親さんに渡す前に避妊去勢手術をすること
をお勧めしています。
「なんで保護してる私が手術代まで払って、里親さん見つけなきゃいけないのよ」
「保護してるだけでもお金がかかるのに」
そんな人もいるでしょう。
それなら、里親さんに譲渡するときに、手術代をもらえばいいのだと思うのです。
前もって手術していたとしても、
その人が飼ってからしなければならないことだったのだから、
手術代だけもらって譲渡すればいいのです。
「手術代払わなきゃいけないなら、飼うのやめる」って言われちゃう・・・
って心配？？？
そんなことを言う人には譲渡する必要がないんです。
さっき書いたように、
命を預かるということは、無償ではないのですから。
かかるはずだった手術代を払えない、払いたくない
そんな高いんだったら飼いたくない
って言うんだったら、飼わなくて結構。
絶対その子が幸せになれないお家ってことですから。
保護している人や保護団体が
ぜ〜んぶ犠牲になる必要はないのだと思うのです。
きちんとお世話している分、
思い入れもたくさんあるはず。
だとしたら、
その子が幸せになる方法で
幸せになるお家を
見つけてほしいのです。
そのためにも、すべてが無償ではなく、有償であるべきなのかもしれません。