しばらくブログをご無沙汰していたのですが、
その間にいろんなことがありましたよ。
鹿児島での補助犬普及活動も、ちゃ〜んと継続しておりました。
伝えたいことは山程あったんですが、
ゆっくりパソコンに向かい合って、
こんなふうにブログをアップする時間が取れずにいたんです。
本当は、
補助犬普及活動が今どんなふうなのか?アップしたり、
告知をせっせとしてみたり、
やるべきことはたっくさんあったんでしょうが、
自分のペースで、仕事に支障をきたさないように・・・という思いから、
その部分は少しお休みさせていただいておりました。
SNSはすんごく便利なんだけど、
大して何も知りもしない人が横槍を入れてみたり、
大して私のことを知りもしないのに、やぃやぃ言ってみたり、
気にかけずに過ごすものの、やっぱり多少はストレスを感じる部分もあって、
少し足も遠のいていました。
その間の補助犬普及活動なのですが、
ザッとあげるとこんな感じ。
5月13日(土) 『鴨池小学校』へ美紀さんとともに特別講師として訪問
『いざかや禄』で飲食をしながらの補助犬普及イベント
5月14日(日) 『アミュ広場』にて補助犬普及活動
5月26日(金) 『伊敷台小学校』へ美紀さんとともに特別講師として訪問
5月28日(日) イオンモール鹿児島にて補助犬普及イベント
5月29日(月) イオンモール鹿児島 美紀さんとともに従業員向け講習会
もしかしたら、漏れがあるかもしれないけども・・・💦
今年はこれから後もいろんな補助犬普及活動が続きます。
獣医師で、自分で病院しているのに、
なんで補助犬普及活動なんかやってるんだ?
っていう方も多いことでしょう。
この補助犬普及活動に参加するようになったのは、
一つの出会いからでした。
私の父は、聾学校で先生をしていました。
そう。
私の父も母も、獣医とは全く違う世界で働いていた人なんです。
獣医として開業するのは、私たった一人でやり始めたことなのです。
話はそれちゃいましたが・・・
父は、聾学校で、生徒さんたちに、手話だけでなく、口話を教えていたのです。
口の動きを見て相手の話していることを読み取り、
同時に私たちと同じように音を発生し、話せるように教育していたのです。
耳が聞こえない人にとって、
音を発生させるということはすごく難しいこと。
なぜなら、きちんと音が出せているか確認することもできないからです。
そして、お手本となる音を聞き分けることもできないから。
発生練習をすることは、私たちには全く想像できないくらい大変なものなのです。
発生練習をする上で、
いろんな方法でコツを教えようと、
私の父はいろんなグッズを使ったり、いろんな発生練習グッズを作ったりしていました。
私は小さい頃からその姿を見て育ちました。
発生練習を受け、口話を身につけた、私の父の教え子さんたちは、
私たちとほとんど変わらないくらいに話すことができます。
その教え子の一人である安藤美紀さんは、
聴導犬と一緒に暮らしていて、
補助犬普及活動を行っています。
補助犬普及活動ができるのも、
話すことを教えてくれた恩師のおかげだと
私の父にずっと会ってお礼を言いたい
と思ってくれていたそうで、
ずっと探していたんだそう・・・
私の父と連絡が取れる手がかりが見つからずにいたある日、
「娘さんが動物病院をしている」
という情報があり、
インターネットで検索して、私にヒットしたんです。
メールをもらった私は、
「父のことをこんなに思ってくれる方がいるんだ」
と思い、感激して涙したのを今でも覚えています。
それからは、美紀さんと私はずっとメールでやりとりするようになり、
鹿児島で聴導犬を知ってもらうためにイベントをしよう
という話になったのでした。
私も美紀さんも、楽しいことを見つけると、まっしぐらにエネルギーを注ぐタイプ。
いろんな波風があったけれど、
イベントを開催するのに一生懸命だったっけ・・・
私は父にこんなにも素晴らしい活動をしている美紀さんの存在を伝えたくて、
美紀さんは恩師に自分の今の姿を見せたくて、お礼を伝えたくて、
イベント開催までワクワクしてたっけ・・・
これが二人で補助犬普及活動を始めるきっかけとなったのでした。
父のために私ができることってないんだろうか?
ずっと聴覚障害者のために頑張り続けてきた父を見てきて、
何かしたい!
という思いがずっとずっとありました。
でも、自分がやりたい仕事・・・獣医は諦められず、
全然違う道を歩んできたいのですが、
美紀さんとの出会いで、
私が新しくやるべきことが見出せた瞬間でもありました。
獣医として、補助犬の存在を伝えることは大事だと思ったのです。
聴導犬という存在は、
聴覚障害者のためにと考えてきた父の思いと
獣医師として犬に関わる仕事をしている私の思いを
クロスさせる存在だな
とも思ったのです。
私だからこそやるべきことなんだとも思いました。
獣医の授業の中に、
『補助犬』
について学ぶことはありません。
動物の勉強をするのに、補助犬のこと知らないの?
とよくいろんな人に言われます。
私も美紀さんと出会うまで、
知らないことがたくさんありました。
今も勉強することばかりです。
獣医として、補助犬のことを知らないことはおかしな話だなと思いますし、
補助犬が病気をしたときに行くのも動物病院なのに、
補助犬のことやユーザーさんのことを理解していないことは問題だなとも思っています。
獣医も補助犬について勉強不足だなと思うのと同時に、
一般の人への浸透も必要であると思いました。
だから、聴導犬について、補助犬について、
美紀さんとともに伝えていくのはとっても大事だと思っています。
私たちの活動はまだまだ理解されない部分も多くあります。
え?お金取るの?
って言われることも山程。
私も美紀さんも仕事をしています。
その中で、それぞれが時間をとって、イベント会場まで行き、イベントをする・・・
そのために時間や労力、人件費などなどかかっているのです。
イベントをするにあたって、準備もたくさん要します。
お金を取るの?
お金をいただくことって当たり前のことなのですが、
ボランティアなんだから無料でやるべきだ
と思われることもしばしば。
でも、私たちは負けじと頑張り続けます。
動物病院をしていて、なかなか時間は多くありません。
それでも私がこの補助犬普及活動をしているのは、
私の父のことを心から尊敬しているから。
父の思いを、私ができることとして受け継いでいるんです。
その思いが強いから、
だから頑張れているんだと思います。
どんなに大変でも、
どんなに辛い思いをしても、
涙を流したり、悔しい思いをしても、
それでも頑張ろうと思うのは、
父も昔発生練習を受け入れてもらえない世の中に対して
きっとこんな思いでいっぱいだっただろう
と思うから。
父の大変さを今身をもって感じれることを
嬉しくも思っていますし、
誇りにも思っています。
いろんな波風があっても、
イベントに足を運んで見守っている父の顔を見ると、
全部忘れちゃうんです。
あ、親孝行してるのかもな、私。
って思うから・・・
それから・・・
私のこの思いを理解してくれ、支えてくれてるみんなに感謝しています。
私や美紀さんの思いを受け取ってくれて、
私たちと一緒に楽しんでイベントを手伝ってくれてる
うちのスタッフにはホントに感謝していますし、
(スタッフみんなが手話を覚えてるところ)
周りでサポートしてくださっているたくさんの方にも感謝しています。
何をするにも、
多くの人の力にかなり支えられてるんです。
挙げたらきりがないほど・・・
みんなに支えられて、
親孝行させてもらってるなー
って思っています。
それを含めて形にすべく、
これからも頑張っていこうと思ってます。
そうそう。
私たちが頑張ってきた証として、
一つ一つ形になっていっているんです。
その一つがこれ。
アミュプラザかごしまさんが、スタッフ全員に配るスタッフブック。
ここに、補助犬受け入れ、障害がある方への対応も盛り込まれることとなったんです。
少しずつ
少しずつだけど
鹿児島は変わってきていると思っています。