最愛の子を失った悲しみと新たな思い | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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動物病院にとって春は繁忙期でもあります。

 

その繁忙期に差し掛かったときに、

 

最愛の子を失いました。

 

 

それは突然のお別れでした。

 

 

 

 

まだ私が大学生の頃、

 

里親募集掲示板で出会って、引き取った子。

 

 

里親を募集しているということはてっきり大人だろうと思っていた私。

 

『はじめまして』でキャリーケースを開けてびっくりしたのをまだ覚えています。

 

 

キャリーケースを開けると、

 

手のひらサイズのダックスが・・・

 

 

 

 

ペットショップで買ったものの、わずか2、3日で里親探しをされていた子でした。

 

 

甘噛みが理由で、ちびっこが噛まれると嫌がるから・・・ということで

 

里親を探していたそうで・・・

 

 


ただ…


うちに来てからは、甘噛みすることはほとんどなく、

 

むしろコマンドというコマンドをわずか数日で覚えてしまうくらい

 

集中力があり、


飲み込みが早く、


子犬にしてはしっかりしている子でした。

 

 


この子がきっかけとなり、

 

もう一頭、ブリーダーさんのところから引き取ることとなり、

 

そして、この血筋の子を後継として残したいという思いから、

 

出産させ、息子を残すというところまでなりました。

 

(飼い主のエゴだと言われる方もいらっしゃるかと思いますが・・・)

 

 

 

後継として残した息子は、

 

大病で、この子よりも先に亡くなってしまいましたが・・・

 

 

それについて書いてある記事は

これ

末っ子の病気のこと

末っ子のことでお伝えしたいことがあります。

 

 

 

私にとっては、出産するまでのことを飼い主さん目線で頭に叩き込むことができ、

 

本当にいい経験をさせてもらいました。

 

 

 

 

 

大学にいっているときも、

 

国家試験を受けるときも、

 

勤務医で働いているときも、

 

開業してからも、

 

彼女は私のことをずっとフォローしてきてくれていました。

 

 

 

 

 

犬なのに犬らしくない子で、

 

どんなときも、空気を読み、人の心を読み、

 

常に周りに気を配る・・・そんな子でした。

 

 

だから、

 

他の子たちが甘えていると譲ってあげて、他の子の気が済んだところで甘えにきたり、

 

私が落ち込んでいることがあったら、そっと寄り添ってくれたり、

 

ときにわざとおもしろいことをして笑わせてくれたり、

 

写真を撮るよ!というと、しっかりモデルをしてくれたり、

 

どんなときも、私のためにサポートしてくれていました。

 

 

 

 

 

息子が先に亡くなったころ、

 

私とこの子が似ているタイプなんだなとようやく気がつきました。

 

 

 

 

周りの人の気持ちを必要以上に考えてしまって

 

自分を後回しにして

 

うまくサポートできない歯がゆさから自分って役に立ててないな

 

と落ち込んでしまう

 

そんな部分が、私にも彼女にもあったんです。

 

 

それからは、自分を見てるように感じてました。

 

 

 

 

今年で14歳。

 

11歳ごろから腎不全の初期となり、

 

息子が亡くなった後くらいから耳は全く聞こえなくなり、

 

白内障も徐々に進行し、

 

心臓病も負って、


咳も出始めていました。

 

 

 

新入りが加わり、

 

新しい風がお家に吹いたことで

 

私もリタイアして大丈夫かな

 

と思っていたのでしょう・・・



 

私にも、彼女にも、

 

お別れはそろそろなんだろうな・・・

 

と薄々気がついていました。

 


 

 

 だけど、まだまだ一緒にいたい!


という思いもあり、

 

14歳の誕生日を迎え、

 

病気は負っているけど、これからも頑張ろうね

 

と誓いあったばっかりでした。

 

 

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これが最後のお誕生日お祝いであり、

最後の写真となりました。

 


 

お別れは突然起きました。

 

 

 

息子のときは、1ヶ月以上闘病生活が続いたのですが、

 

彼女は、そのときのおうちの大変さもわかっていたからか、

 

突然亡くなる・・・という選択をしたのでした。

 

 



心臓の弁が切れたのが原因。

 

 

すごくすごく苦しいはずなのに、

 

それなのに、

 

ずっと亡くなる直前まで、

 

大丈夫だよ。

 

ありがとうね。

 

と普通に笑顔で、私を見つめてました。

 

どんだけ気を使う子なんだろうか・・・

 

 

 

 

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どんなときも私のことをずっと陰ながらサポートしてきてくれた子


 

きっとこの子を失ったら、

 

なんにも手がつかなくなるだろうな

 

と思うほど、

 

誰よりも大好きで、

 

誰よりも大事な存在でした。

 

 


 

でも、


すんなり最愛の子の死を受け入れられたことは


今でも不思議です。

 

 


 

先生は毎日のように、たくさんの犬猫に接して、

 

病気や死に対して慣れっこになってるでしょう。

 

 

とよく飼い主さんに言われます。

 

 

だけれど、

 

どんなに経験しても、悲しみは変わりません。

 

よその子であっても、自分の子であっても、

 

何度経験しても、

 

やはり死に対しての気持ちは変わらない部分があります。

 

 

 

 

今も時々思い出して、恋しくなることがあります。

 

あの笑顔を見たいな

 

あのふわふわの毛に触れたいな

 

あのぬくもりを感じたいな

 

あの気配りにもう一度会いたいな

 

いろんな思いが湧いてきます。

 

普通の飼い主さんと同じ感情です。

 

 

 

それは、おうちに他の子がいたとしても、

 

彼女はたった一人の彼女だから。

 

 

 

 

ただ…


不思議と離れている気はしません。

 

いつも隣にいて、見守ってくれている気がします。

 

 

 

新入りが少しずつ成長していく中で、

 

そばで彼女がサポートし、新しく私のフォローをする存在として育ててくれている

 

と今は感じています。

 

 


なぜか?


ときどき、彼女が注意してるようなしぐさがあるんです。


彼女を見習ってしてるようなしぐさも…。


不思議だけど、ホントのことなのです。



 

 

ペットも高齢化社会になってきています。

 

 

シニア犬猫に対してのこと

 

早期発見につながるように病気に対しての知識を飼い主さんに深めてもらうこと

 

シニア犬猫のケアの仕方を学んでもらうこと

 

歳をとっても、飼い主さんとペットがずっと変わらず幸せに暮らせるように・・・

 

この思いが強く湧いたのも、

 

最愛の子と連れ添ってきて感じたことだからなのです。

 

 

 

 

ペットロスも、これからどんどん増えていくと思います。

 

 

ペットロスに対しての考え方も、

 

昔以上に思い入れが強くなった理由は、

 

彼女の年老い方を目にしたり、

 

歳をとってきた彼女を前に、死が頭をよぎるようになったり

 

彼女の息子の死を体験したりしたからでした。

 

 


ペットの寿命も長いということ

 

ペットも人と同じように人生長く、山あり谷ありだということ

 

そういうことまで踏まえて迎え入れることをしていない人も多くいます。

 


だからこそ、

 

おうちによって、ペットの生き方もそれぞれ、病気との向かい合い方もそれぞれ。

 

 

 

 

病気に対してどう向き合うか

 

死にたいしてどう向き合うか

 

人それぞれだと思います。

 

 

どんな場合であっても

 

後悔することなく、幸せに過ごせたね

 

と心から言えるかどうかかと思っています。

 

 

 

生きていれば、いいことも悪いこともある。

 

山あり谷ありが人生だと思うんです。

 

 

ただ・・・思い返したときに、

 

辛いこと悲しいこともたくさんあったはずなんだけど

 

なぜか幸せだったこと楽しかったことしか思い出せない〜

 

ってふうだから

 

幸せな人生だった

 

って思えるんだと思うんです。

 

 

 

誰かを恨んだり、

 

何かを恨んだり、

 

そんなことばっかりだった・・・と思えば、

 

幸せな人生だとはとても思えないと思うから。

 

 

だから、

 

後悔することなく生きる・・・

 

それが一番大事なことなんだろうなと思っています。

 

 

 

後悔なく生きれる

 

そのお手伝いをこれからもできればいいな

 

と願っています。

 

 

 

 

あ〜やっと彼女とのことを書くことができた

 

ちょっとホッとした私がいる・・・