野良猫のことでお世話になった小さい頃の恩返しを | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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はぁ…今日はすごくいつも以上に達成感。

 

私の自己満かもしれないけど、

小さい頃の恩返しができたかなと思っております。

 

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そんな中、私の病院に、ある方がねこちゃんを連れていらっしゃいました。

 

 

誰かというと・・・

 

私の実家の近所の方。

 

 

 

 

ご夫婦揃って、猫が大好きで、

 

私が小さい頃から、たっくさんの野良猫ちゃんを保護しては飼われていました。

 

 

 

小学校から帰って宿題を終わらせると、

 

ダッシュでおうちに遊びに行って、

 

暗くなるまでず〜っと猫ちゃんたちと遊んでいたものでした。

 

 

 

毎日毎日飽きも来ず、おうちにお邪魔しておりました。

 

 

 

うちのお母さんからは、

 

「どこの子かわからないわ。うちの子じゃなくって、他所の子だったっけ?」

 

と言われるほど、

 

おうちに入り浸っておりました笑

 

 

 

小学校の帰り道、

 

野良猫に遭遇したり・・・

 

捨て猫に遭遇したり・・・

 

 

かわいそうにと思って連れて帰るのだけれど、

 

「うちでは飼えないから戻しておいで」

 

と言われていました。

 

 

 

その度に捨てるに捨てることができず、

 

そのご近所さんのお家に行って、

 

「おばちゃん、なんとかならないかな?」

 

と相談していました。

 

 

 

今考えると、よそさまのお家に行って、

 

「ねこちゃんを飼ってくれない?」

 

なんて、

 

本当に勝手すぎる話だし、

 

どれだけ迷惑をかけたのだろう・・・と思うのですが、

 

その頃の私にとって、

 

捨てるということができず、

 

でも助けたい!という気持ちが大きく、

 

つい甘えて、近所のねこ好きなご夫婦に託してしまっていたのでした。

 

 

 

 

いつもブログにも書いているのですが、

 

1つの命を預かるということは、簡単なことではないです。

 

 

 

毎日ご飯を食べるし、

 

トイレもする。

 

避妊去勢手術だってしなきゃいけないし、

 

時に病気もする。

 

 

 

1つの命を預かるということは、

 

お金がかかるということ。

 

 

好きなだけでは飼うことはできません。

 

 

 

小さい私は、

 

そんなことまで考えずに、

 

「なんとかならない?」

 

とお願いして、

 

飼ってもらえたねこたちの成長を毎日覗きに行っていたのでした。

 

 

 

大きくなったら獣医さんになって、

 

捨てられた子も、野良猫も、

 

み〜んな幸せにしてあげるんだ。

 

助けてあげるんだ。

 

と言っていた私・・・

 

 

 

大人になって、獣医になったとき・・・

 

『その夢を少しずつ形にしていこう』

 

と思い、

 

開業してからは、

 

『近くの野良猫を保護しては手術・・・』

 

をしてきていました。

 

 

 

 

野良猫への思い入れについては、以前ブログに書いたことがありました。

 

これ

地域猫のことが鹿児島のローカルニュースで取り上げられた!その裏側の私の思い

 

 

 

 

話は戻って・・・

 

近所の小さい頃ねこちゃんのことでお世話になった方が私の病院に来たというお話。

 

 

 

ねこちゃんの体調が悪く診察にいらっしゃったのでしたタラー

 

 

 

1歳くらいのときに避妊手術をしたそうですが、

 

運悪く、『乳腺腫瘍』ができてしまっていたのですタラー

 

 

少しずつ大きくなり、

 

数日前から、しこりの部分から出血があり、連れてきたというわけ・・・

 

 

 

「残念だけど、乳腺腫瘍ができてるわ・・・

 

 ねこちゃんは悪性のことがほとんどだから、このまましててもどんどん大きくなるし、

 

 化膿したりすることもあるかも。

 

 

 ただ悪性だから、この部分を手術で取り除いても、

 

 他の場所に新しくできたり、

 

 他の臓器に転移したりしてしまうと思うの。」

 

 

と告げる私。

 

 

 

 

このままじゃ出血もひどくなるし、

 

化膿することもある。

 

 

完治は難しいけれど、

 

今なら、できてしまっているしこりは、まだ手術で取り除くことはできる。

 

 

 

そんなわけで手術をして取り除くことに・・・。

 

 

 

私が小さい頃からお世話になっていたその近所の方は、

 

もうすっかり年をとられ、

 

旦那さまも他界され、

 

一人でねこちゃんを面倒みていらっしゃる。

 

 

 

 

小さい頃にたっくさんお世話になった方。

 

 

 

私が

 

「おばちゃん、なんとかならないかな?」

 

と相談して飼ってもらった子たちはたっくさんいる。

 

 

 

その子たちを育て、亡くなるまでお世話してもらうのに、

 

一体どれほどの費用がかかったことだろう・・・

 

 

 

 

「手術に関わる費用を私に負担させてほしい」

 

とお願いしたのであります。

 

 

 

 

小さい頃私が拾ってきた子たちを面倒みてもらった分、

 

今こそ恩返しできるときだ。

 

 

そう思ったから・・・

 

 

 

「いやいや、なおちゃん、ちゃんとお金をとってね。」

 

とおばさんから言われるものの、

 

「いや、小さい頃、たっくさん養ってもらったから、恩返しさせて」

 

と言って、預かったのであります。

 

 

 

レントゲンを撮ったり、血液検査をして、

 

手術に耐えられるかどうかチェックをし、

 

万全の体制で手術をし、

 

無事今日退院していきました・・・

 

 

 

小さい頃から夢見ていた、

 

『みんなを救うんだ。幸せにしてあげるんだ。』

 

という思い・・・

 

 

 

 

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あのときはできなかったこと

 

 

手術してあげること

 

治療してあげること

 

少しでも幸せに暮らせること

 

 

そのお手伝いを少しでもできたことに

 

私は嬉しく思っています。

 

 

 

少しでも昔お世話になった方に恩返しができること

 

私が救いたかった野良猫に対して少しでも関われること

 

それを幸せに思っています。

 

 

小さいときの思いを改めて感じ、考え直すきっかけとなりました。