命の重みを感じて飼っていますか? | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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世間は猫ブーム。

 

その前は(今もだけど)、もふもふでフワフワでちっちゃくて可愛いぬいぐるみのようなプードルブーム。

 

ペットの中でも、何かブームが来るたびに、

 

テレビでもペットショップでもペット関連雑誌でもその種類だけ多く取り扱われて、

 

よく見かけるから・・・

 

可愛いから・・・

 

というだけで手にする人も多いのも事実。

 

 

そのブームに乗っかって飼ってみて、

 

実際勉強しながら模索しながら飼い続けていくのであれば、

 

それはそれで問題ないのだと思います。

 

 

 

ただ現実はそうとも限らない。

 

 

 

生き物を手にすること

 

それをきちんと勉強して、考えて、実行してほしいのです。

 

何にも勉強せず、考えず、飼っている人も多く存在しているのです。

 

 

 

飼うことは否定しません。

 

 

動物と暮らすことはとても楽しく幸せなことだと思います。

 

一緒に暮らすことで、人の血圧を下げたり、ストレスを減らしたりという医学的な効果があることも知っています。

 

 

 

ただ・・・

 

命の重みをしっかり感じてから、

 

飼うことに踏み込んでほしいのです。

 

 

 

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なぜこんなことを言うのか?

 

理由はたくさんあります。

 

 

 

命を預かるということの重みをしっかり考えていない人がいるということ。

 

 

 

ペットを家に迎え入れる方法はたくさんありますよね。

 

ペットショップでお金を払って買う方法。

 

ブリーダーさんのところに足を運んで買う方法。

 

知り合いのところでもらう方法。

 

動物管理センターや譲渡会などで探す方法。

 

飼えなくなったという方から譲ってもらう方法。

 

拾ったということもあるでしょう。

 

 

どの方法をとるにしても、

 

『命を預かる』ということを考えてほしいのです。

 

 

今はインターネットも普及し、情報交換が昔よりも増えているから、

 

安易にペットを手にすることができるようになったと思います。

 

 

 

人が生まれてくるまでの間、命を授かるまでの間、

 

いろんなドラマがそれぞれのお家であると思うのです。

 

その中でいろんなことを考えて命を受け入れる・・・

 

決して安易ではないですよね。

 

 

 

そのときと同じように、ペットも考えてほしいのです。

 

 

 

家に迎え入れておしまいではないのです。

 

お金を払って買っておしまいではないのです。

 

 

 

一緒に生活していく上で、

 

ご飯を食べれば、

 

お風呂にも入り、

 

運動も必要で、

 

病気もする。

 

もっと言えば、勉強も必要。

 

 

 

命とともに歩むということは、

 

そのすべてを受け止める

 

ということだと思うのです。

 

 

(命はずーっと尽きるまであなたとともに歩むのです。)

 

 

 

 

ペットだから、人みたいに大変じゃない

 

小さいから楽だろう

 

というのは思い込みです。

 

 

人とペットも同じ動物。

 

同じ生き物だから、人と同じようなことが必要になるのです。

 

 

 

「飼ったはいいけど、お金がかかるわ〜」

 

という言葉をよく耳にします。

 

 

どういうことか?もっと掘り下げていうと・・・

 

 

「人よりシャンプーカットにお金がかかるんだもの」

 

「ご飯代も結構かかるのよね」

 

「病気するとお金かかるわ」

 

などなど・・・。

 

 

 

命を預かるということは、

 

そういうことが起きるということ。

 

それを勉強せずに、考えずに受け入れた結果の言葉なのです。

 

 

 

本当は・・・

 

それを簡単に口に出すことを本当は恥じなければならないと思います。

 

そんなことを言ったら罰せられると思うくらいであってほしいと思います。

 

 

だって、これが自分の子供に対してだったら、

 

ありえない発言だと思うから。

 

 

 

 

 

昨日もお伝えしましたが、

 

何かをするのには必ずお金がついてまわります。

 

それが私たち人間界の仕組みだから仕方ないのです。

 

 

その世界の中で命を預かるということは、

 

その命のためにお金が必要だということなのです。

 

 

それがペットのためだとしても、

 

お金は必要になります。

 

 

それを理解して命を受け入れていない人が多すぎるように思います。

 

 

 

 

ご飯を食べる。

 

 

これは生きていれば当たり前のこと。

 

自分で狩りをして得るわけではないのだから、

 

飼っている私たち人間の役割ですよね。

 

そのご飯の種類によっても、健康状態は大きく変わるのです。

 

粗悪なもの(安いもの)を食べれば、それなりの結果が訪れます。

 

人もそうですよね。

 

体をつくる元でもあるし、毎日食べるものだから、

 

粗悪なもの(安いもの)を食べれば害が出ることもあるのです。

 

毎日食べるものだから、その食料を買うのにお金が必要になりますよね。

 

ある程度の品質のものを手にするのにお金がかかるということ、

 

月いくらくらいかかるのか

 

勉強もしないで、考えもしないで、

 

「ご飯代もバカにならない」

 

というのは間違っていると思うのです。

 

 

 

 

 

お風呂に入る。

 

私たちは毎日汚れを落とすためにお風呂に入ります。

 

犬猫も必要であればお風呂に入る必要があるのです。

 

猫は毛づくろいを熱心にするから、あんまりシャンプーをする必要がありません。

 

だから、シャンプーをすることにお金を使いたくないのであれば、

 

犬より猫を飼うべきとも言えます。

(必ずしもとは言えませんが)
 

こういう違いを学ばずに、安易に犬を飼っておきながら、

 

シャンプーにお金がかかるということは間違っていると思うのです。

 

 

犬の中には、

 

カットが必要な子とそうでない子といます。

 

カットが必要な子は、定期的にカットをしなければなりません。

 

つまり、カットするために費用が発生するということ。

 

 

それを事前に学びもせず、流行りのプードルを飼い、

 

「カットにお金がかかるわ〜」

 

というのは、間違っていると思うのです。

 

 

カットする費用を削減したいのであれば、

 

自分でカットするか、カットしないでいい犬種を飼うかなのです。

 

特殊なカットをお願いするのであれば、

 

その技術を持っている人は貴重であり、

 

その技術に見合った金額を払うのは当然なことなのです。

 

 

 

皮膚病があるのに、シャンプーやカットをしないで、

 

「治療にお金がかかるわ〜」

 

というのもおかしな話。

(全部が当てはまるわけではないのですが、ケアを怠ったことで皮膚病になることもあります)

 

 

きちんとシャンプーやカットをしてケアをしていれば、

 

皮膚病にならず、治療費がかからなくなることもあるのです。

 

 

 

運動も必要。

 

 

これも犬種によると思うのですが、

 

大きな犬は、やっぱり運動もたくさん必要になります。

 

つまり、大きい犬を飼うのであれば、

 

散歩の時間を多く確保する必要があるということ。

 

仕事をしていて時間に余裕がないのに、大型犬を飼う

 

というのは間違いなのです。

 

 

外国のように、ペットシッターが充実していれば、

 

お金を払って散歩に行ってもらう方法もあると思いますが、

 

日本ではまだまだ少ないのが現状だし、

 

ペットシッター?お金払うの?

 

って考えの人も多いはず。

 

 

そうであれば、

 

散歩がたくさん必要でない小型犬を飼うとか、猫を飼うとか、

 

別な方法を考えればいいのです。

 

 

 

病気もする。

 

 

元気でずーっと寿命を全うできるとは限りません。

 

 

私たち人間だってそうですよね?

 

若くても病気をすることだってあるし、

 

普段元気でも時々体調を崩すことだってある。

 

思いがけない病気になることだってある。

 

 

病気をしたら、治療するために治療費がかかる。

 

 

 

人と違うとしたら、

 

人のように保険がきかないということ。

 

もちろん、ペット保険に入って対応している人もいます。

 

ペット保険に入って病気になっても大丈夫なように対応しよう

 

と考えているのであれば、それは勉強し考えて行動したのでしょう。

 

 

病気をするという可能性を考えずに飼っていて

 

「病気したらお金がかかる〜」

 

というのは間違いだと思うのです。

 

 

ましてや、保険に入るなどの対応策も考えていないならもっと。

 

 

 

勉強も必要。

 

 

これも多く間違いが起きています。

 

勝手に賢くなっていくことなんてありません。

 

日々学習し、間違いを正され、反省し、成長していくのです。

 

 

私たち人間もそうですよね?

 

毎日が勉強。

 

ペットも同じです。

 

 

お家の決まりに従ってほしいのであれば、

 

その決まりを教えてあげなければ、理解できません。

 

なぜ怒られているのかわからなければ、

 

どう直せばいいのかわからなければ、

 

反抗したくなるときもあるでしょう。

 

 

 

自分でできないのであれば、

 

学びの場に参加させる必要があるのです。

 

それが人でいえば『学校』なんだと思います。

 

 

いろんな人と触れ合って、

 

いろんなことを学び、

 

自分で考え、

 

日々成長していく。

 

 

犬猫にもそんな場が必要な場合もあるのです。

 

だから、犬の幼稚園や、しつけ教室などがあるのです。

 

それにわざわざお金を払うなんて・・・

 

という人もいますが、

 

自分にできないのであれば、

 

できる人にお金を払ってやってもらう。

 

ごく当たり前のことだと思うのです。

 

 

それも勉強せず、考えもせず、ただ飼うだけで、

 

「うちの子って本当おバカだわ」

 

というのは間違っていると思うのです。

 

 

 

 

もっともっと命の重みを感じてほしいと思うことがあります。

 

 

 

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人生何が起きるかわからない。

 

それは私たち人間でもそうです。

 

いつ病気になるかわからない。

 

いつ死ぬかわからない。

 

いつ家族がバラバラになるかわからない。

 

そうなろうと思って生きていなくても、

 

そんなふうになってしまうことがある。

 

 

でも、そんなふうになっても、

 

ペットはあなたが受け入れた命なのです。

 

 

どんなことが起きても、

 

その命を守る責任があるのです。

 

 

 

例えば、夫婦が離婚をするからといって、

 

二人の間にできた子供を捨てる

 

ということはないですよね?
(極端な例えと言われるかもしれないけど・・・)

 

 

でも、相手がペットである場合、

 

手放すという行為は結構多く存在します。

 

そして、自分は探すという行為すらしないで、簡単に諦め、捨てることすらあります。

 

 

 

ご飯を食べることをお話したときに触れましたが、

 

自分で生きて行くということができないのです。

 

命を引き受けてくれた人とともに生きて行く。

 

それが最初から決まっていること。

 

人のように、自立して巣立っていくということはできないんです。

 

 

 

すべてにおいて自立して生活できるわけではないのがペットですから、

 

飼うときは、いろんなことを勉強し、考えて、

 

命の重みを感じつつ、命を受け取ってほしいのです。

 

 

その重みの分、いやそれ以上に、

 

彼らはあなたにいろんなものを与えてくれるはずです。