注射器を扱いすぎて、マメができてしまいました
![泣](https://emoji.ameba.jp/img/user/na/namida-egao/41147.gif)
アラフォー獣医師 浜崎菜央です。
(親指にがっつりできたマメ
)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
は
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/177.gif)
と思われた方も多いのでは
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/040.gif)
わたくしも
は
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/177.gif)
でございます
![笑](https://emoji.ameba.jp/img/user/mo/moyu-moyu/1013.gif)
まさか、注射器を扱いすぎて、
マメができるなんて思ってもみませんでした
![泣](https://emoji.ameba.jp/img/user/na/namida-egao/41147.gif)
なぜ注射器を扱いすぎることになったか
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/040.gif)
フィラリア症のわんちゃんのための治療が原因でした。
まだピンとこないですよね
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
正確には・・・
フィラリア症のわんちゃんで、腹水がたまってしまった状態で
腹水を抜く作業をしていたのであります。
え
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/040.gif)
フィラリア症ってまだあるの
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/040.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/040.gif)
って方。
はい
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
まだフィラリア症は健在であります
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
うちの病院でも、年に数頭は見かけますよ。
フィラリア症をご存知ない方もいらっしゃると思うので、
簡単に説明させてください
![アゲアゲ](https://emoji.ameba.jp/img/user/wc/wcherryw/484.gif)
フィラリアは、寄生虫の1種で、
寄生虫と聞くと、私たちはお腹に寄生する虫を想像すると思うのですが、
フィラリアはちょっと特殊で、
なんと
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心臓の中に寄生するんです
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
しかも、フィラリアの成虫は、オスメスいて、
赤ちゃんを血液中に産むのです。
(これは、このとき見られた血液の中のフィラリアの赤ちゃん。顕微鏡で見てるよ)
春から秋にかけて、蚊が現れるのですが、
蚊が血を吸いにきたときに、
血液と一緒に、このフィラリアの赤ちゃんが蚊の体に入っていくのです。
この蚊が、また別のわんちゃんねこちゃんのところに血を吸いに行ったときに、
蚊の体から、フィラリアの赤ちゃんが侵入し、
そして、一冬経つと・・・
心臓の中に寄生する成虫になるんです
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お腹に寄生する腸内寄生虫は、駆虫剤を飲んだら
便と一緒に体の外に出てきて、やっつけられるのだけど、
心臓に寄生するフィラリアは、
心臓の中から取り出せないから厄介なんですの
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フィラリア症のうち、急性フィラリア症の場合のみ、
心臓からフィラリアを取り出すことが可能なのですが、
それ以外は、フィラリアと共存していく方法をとるしかないんです。
一部の子では、
フィラリアを徐々に弱らせていく治療法も可能なのですが、
フィラリア症の症状が出ていたり、わんちゃんたちの体調がベストでない場合は、
フィラリアと共存していく方法をとっていくのです。
今回のケースは、
フィラリアに感染していることがわかったときに、
シニア期の子だったため、心臓病をともなっていたことと、
てんかんに似た発作も起きていたため、
共存していく方法をとっていたのです。
そしたら・・・
フィラリア症の症状の一つである『腹水』がたまりはじめてしまったんです
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
こうなったら、ますます厄介
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
症状を緩和させたり、その場しのぎの治療をしたりといった
『対処療法』で対応するしかないんです。
実際にどうするか?というと・・・
利尿剤といって、体から水分を外に出すように促す薬を使用するのですが、
場合によっては追いつかず、
腹水を抜くという処置が必要になってしまうんです。
腹水がたくさんたまったわんちゃんは、
まるで妊娠したかのようなお腹になります。
体も重たくなって、お腹も大きくなって、
歩くのも食べるのもやっとの状態に。
今回のわんちゃんもたくさんたまっていました。
1リットル以上抜けたかしら・・・