人もそうだけど、ペットや飼い主さんと先生の中で一番大事なもの、それは【コミュニケーション】 | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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おはようございます

私は水曜休みなので、週の始まりは木曜からの気分であります。

今週(今日から1週間)は、私の中でい~っぱいイベントがあるのでワクワク

アラフォー獣医師 浜崎菜央です。


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昨日夜テレビを見ていたら、

30年間麻痺していた足が、2日で治ったというお話をしていました。


生まれて1年くらいのときに、『脳性麻痺』と診断を受け、

いろんな薬を試しつつも、治らず、ず~っとその症状と付き合ってきたというお話。


素敵なことに、自分が恋していた男性とたまたま知り合い、意気投合し、結婚し、出産。
(自分のあるがままを受け入れてくれることが一番ですよね)


子育てをもっと楽しみたい、積極的に関わりたいと思い、他の治療はないか相談したのが始まりで、

別の神経科の先生のところに行くのですが、

そこで全然違う病名を言われ、薬を処方されるんです。
(それまでの30年近く信じ治療していたのはどうなるんだ?とダーリンは言ってましたけど)

その薬を飲んで、なんと2日で治ってしまうというお話。



なぜこんなことに



朝は症状が改善していて、調子がいいときは動ける。

でも、夕方になると、麻痺がひどくなる。

よく眠れた日の朝は、すごく動きも調子がいい。



これがキーワードだったんです。


ず~っとそういうことを実感していたのだけれど、

最後の先生に出会うまで、その実感を伝えられずにいたのでしょうね。

そして、最後の先生は、そのキーワードを上手に聞き出すことができた

だから、別の病気だと診断することができたんです。



脳の疾患は、CTやMRIで調べたり、脳波のチェックでわかったり、症状なので照らし合わせて診断されるのだけれど、

脳性麻痺とこの病気の違いは、

朝夕で差があるかどうかというところ。

差がなければ、もちろん、脳性麻痺であっていたのだそうで・・・。



患者さんが、

これは普通だと思いこんでいたこと、

これはみんなあることなんだと解決させてしまっていたこと、

先生に言うほどのことではないだろうと決めつけていたこと、

それが実はキーワードとなることがあるんですよね。



私も、小さい頃から、

バスのつり革につかまるとき、洗濯物を高いところに干す時など

手を持ち上げると、手がしびれていました
(同じ思いしている人いないかしら?ちなみに、後からうちの母もそうだということが判明笑


重力に反して手を持ち上げているわけだから、

手がしびれるのは当たり前。


そう思って、誰にも質問することもなかったんです。



もともとひどい頭痛もちだったのですが、

ある日、とてつもなく痛くなって、痛み止めも効かないほどになってしまい、

歩くことすらできないくらいに・・・



こりゃ、脳梗塞か何かの前兆かもな・・・

と慌てて脳神経外科に行くと、


手を持ち上げるとしびれないですか?


と先生が一言。


はい、そうですね。みんなそうだと思っていました。

と言ったところ、

なんと私だけであることが判明
(え?マジですか?とびっくりすぎて言っちゃいましたけどね笑



胸郭出口症候群という病気だということがわかり、

精密検査を受けたら、右側の肩から上には、ほとんど血が通ってなくて・・・

脳貧血が起きちゃってたのです



私も普段診察のときに、

きちんとカウンセリングするように心がけています。


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(ときに、こんな感じでキャットケアレッスンで、みなさんの相談を聞くことも)



だって、私たち獣医は、わんちゃんねこちゃんと会話できないのだから。
(会話ができる人同士でも、上のような例があるわけだから・・・)


できるとしたら、

彼らの表情やしぐさを通して想像を膨らます、

症状と照らし合わせるくらいかな・・・

(でも、これをするしないでも大きく異なるし、これができないと大変でもあるんです)


あとは、飼い主さんにいっぱい質問すること。


一番観察しているのは、飼い主さんだからアゲアゲ




飼い主さんからきちんと聞き出さなければ、

診断のためのキーワードを引き出すことができないのです。



質問の数が少なければ、

きちんと自主的に疑問点を話す飼い主さんでなければ、

先ほどのお話のように、キーワードを聞くことはなく、

きちんとした診断へ導き出せないかもしれないのです。



飼い主さんが、

これってうちの子だけの問題じゃないわとか、

みんな同じでしょとか

決めつけてしまって、先生に質問すらしないことがあるんですよね。


あとは・・・


飼い主さんが、

これは先生に言わなくてもいいだろう

と大切なことではないと決めつけて、先生に報告しないことがあったり・・・



話してくれていたら、

うまく話を聞き出せていたら、

もっと違う診断になっているのにな

ということが多くあるんですよ。



だから、

私は些細なことでも、笑い話でも、自慢話でも、聞くようにしています。

そうすることで、新たな発見があるから。


そのとき必要な情報でなかったとしても、

普段の様子を聞いていることで、

この子はこういう性格なんだ

こういうことが好きなんだ

こういう一面があるんだ


と把握することにもなるから。



診察が混み合っていても、なるべく最低限は話を聞くようにしています。
(もちろん、たわいのないお話はこの場合は少し短めにしていただいているけれど)

大事なところだから。

そこを端折ってしまうと、上のような診断ミスが起きることもあるから。



そのためには、飼い主さんがリラックスしてお話してくださる環境作りをしなきゃね。

私もそうだし、スタッフも、きちんと向き合ってくれてると安心してもらわなきゃ。

いつも、そう思いながら、診察するようにしています。



みなさんも、自分の病院でも、ペットの病院でも、

疑問に思う出来事を伝えてみる

これは言う必要ないかな?と思っていても話してみる

とすると、違う診断、違う発見がおきるかもしれませんよ?