館林女性殺害事件、容疑者自殺 | 同じ空の下で ~ To you who do not yet look ~

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まだ見ぬあなたへ。僕らは、同じ空の下にいながらも、それぞれの感じ方で生きている。
「偶然は必然」というように、僕らを直接結びつけるものはなくても、意図しない形で、思いもよらない所で、あなたと私がきっかけひとつで繋がったことに感謝☆




(以下、朝日新聞ニュースより)


群馬県館林市の駐車場で女性が射殺された事件で、群馬県警は21日、

栃木県鹿沼市の路上に止めた軽乗用車から見つかった遺体は

女性の元交際相手で職業不詳の男(39)=栃木県栃木市=と判明したと発表した。

女性に対する殺人容疑で20日にこの男の逮捕状を取っていたことも明らかにした。





県警は拳銃とみられる1丁を車中から押収。捜査関係者によると、回転式拳銃だった。

女性の殺害現場では薬莢(やっきょう)が見つかっておらず、

県警は射殺事件にこの回転式拳銃が使われた可能性があるとみて鑑定を進める。

男の名前は、容疑者の死亡によって任意捜査になったとして、発表していない。


殺害された鈴木千尋さん(26)=群馬県大泉町=は19日午後2時50分ごろ、

ディスカウント店の駐車場で、買い物を終えて軽乗用車に乗った直後、

助手席側から拳銃で1発頭を撃たれたとみられる。

昨年11月に男からストーカー被害を受け、栃木県警が男に警告。

鈴木さんは栃木県佐野市から転居していた。


■元組員「堅気からも注文が時折ある」


元交際相手の男は事件の直前まで、物流会社でトラック運転手として勤務する傍ら、

運転代行のアルバイトもしていた。勤務先の社長は昨年秋ごろ、

男から「最近、子どもがいる女性と同居をしている。結婚も考えている」と聞いたという。


男を古くから知るアルバイト先の上司も事件に驚いた。

「まじめに働いており、拳銃を持っていたなんて想像もつかない」。

中学卒業後に荒れた時期もあったが、20代で結婚と離婚を経験し、

落ち着きが出始めたように見えていた。


犯罪組織とは無縁とみられていた男が、拳銃をどうやって手に入れたのか――。





警察庁によると、拳銃の押収自体が減るなかで、目立ってきているのが

「暴力団以外(不明含む)」からの押収だ。昨年1~11月に押収した443丁のうち、

暴力団から押収したのは63丁。380丁が「暴力団以外」からだった。

こうした傾向は2000年代初めから続いており、捜査幹部は

「拳銃事件の罰則強化で拳銃を巧妙に隠すようになった暴力団が、

資金稼ぎの一環で一般社会に流している」とみる。


拳銃の調達にかかわったことのある元組員は取材に対して、

「マニアをはじめ、何に使うかわからない堅気からも『買いたい』との注文が時折ある」と明かした。

米国製の38口径なら60万円、ロシア製なら40万円、実弾は1発1万円が相場という。

「海外の犯罪組織に手配し、カニ密漁の漁船や鉄くずを満載した船の積み荷に紛れ込ませて

国内に持ち込めばバレない」


群馬県警は男の車から押収した1丁を鑑定し、入手経路なども調べるという。




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(以下、インフォシークニュースより)


群馬県館林市の駐車場で、鈴木千尋(ちひろ)さん(26)=同県大泉町=が

頭を拳銃で撃たれて殺害された事件で、鈴木さんがストーカー被害を受け、

群馬県警が殺人容疑で逮捕状を取った元交際相手の職業不詳、

永井隆央(たかお)容疑者(39)=栃木県栃木市=が21日朝、

同県鹿沼市に止められた車の中で頭から血を流して死亡しているのが見つかった。

遺体のそばに拳銃のようなものが落ちており、群馬県警は永井容疑者が事件に関与し、

自殺を図ったとみている。県警は被疑者死亡で書類送検する方針。


群馬県警によると、21日午前9時ごろ、栃木県鹿沼市口粟野の路上で、

永井容疑者が車の運転席で血まみれで横たわっているのを発見。

ドアがロックされた状態ですでに死亡していた。拳銃のほか、銃弾とみられる金属片も見つかった。


事件後に永井容疑者と連絡が取れなかったが、

車や携帯電話の位置情報などから鹿沼市周辺にいるとみて行方を追っていた。

20日夜から21日未明にかけて自殺したとみられる。


永井容疑者は昨年11月に鈴木さんへの暴行容疑で栃木県警に逮捕され、

罰金刑で釈放後にストーカー規制法に基づく文書警告を受けた。

鈴木さんが同12月に大泉町に転居後も、永井容疑者は鈴木さんに電話で連絡を取っていた。


鈴木さんは19日午後2時50分ごろ、ディスカウントストアで買い物をして車に戻った直後に

殺害されたとみられる。待ち伏せされた可能性がある。



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(以下、20付、産経新聞ニュースより)


殺害された鈴木さんは栃木県警に再三ストーカー被害を相談。

県警は男に繰り返し警告や注意を出していたが、転居先の群馬県警には温度差が見られた。


群馬県館林市で鈴木千尋さんが殺害された事件で、

鈴木さんは栃木県警に再三にわたってストーカー被害を相談し、

栃木県警も男に繰り返し警告や注意を出していたが、最悪の事態を防げなかった。

栃木県警と、鈴木さんの転居先として被害内容を引き継いだ群馬県警との温度差が垣間見られ、

県警間の連携の難しさも浮き彫りになった。


鈴木さんが初めて栃木県警に相談したのは昨年11月1日。

当時住んでいた同県佐野市で、元交際相手の男と押し問答になり、

手首をつかまれるなどの暴行を受けたと被害届を提出した。

栃木県警は翌2日に暴行容疑で男を逮捕。

同22日の釈放後、ストーカー規制法に基づく文書警告を出した。


男の釈放に合わせ、鈴木さんは男の土地勘がない群馬県大泉町の知人宅に身を寄せる。

さらに、12月3日に同町のアパートに引っ越し、同5日には住民票の閲覧制限を申請した。

栃木県警は「鈴木さんに転居を勧め、閲覧制限についても助言した」と話す。


ところが、男はその後も鈴木さんの実家に手紙を送り付け、

鈴木さんに「会いたい」などと復縁を求める電話やメールを繰り返した。

鈴木さんはそのたびに栃木県警に相談。

一方で、鈴木さんから男に連絡することもあり、「鈴木さん側が完全に拒否しておらず、

ストーカー規制法に基づく措置が取れなかった」(栃木県警幹部)という。


12月22日には佐野市内の飲食店で、鈴木さんと鈴木さんの父親、男の3人で面会。

栃木県警は「会わないで」と鈴木さんを説得したが聞き入れられなかった。

結局、鈴木さんは「別れたい」、男は「別れたくない」と平行線で終わった。


栃木県警は同26日、男に改めて「面会やストーカー行為をしないように」と注意。

この注意は断続的に今年1月10日まで続いた。


転居先の群馬県警は12月3日、栃木県警から被害内容を引き継いだ。

その後も、鈴木さんから栃木県警に相談があるたびに群馬県警にも伝えられた。

ただ、群馬県警が鈴木さんのアパートを確認したのは同18日、

初めて安否確認の電話をしたのは同20日だった。


その後も1月24日に2回目の安否確認をしただけで、鈴木さんには直接会わなかった。

群馬県警幹部は「(最寄りの)大泉署に来てほしいと頼んだが、

後日行くという返事で危険性の訴えもなかった」と釈明する。

栃木県警幹部は「男が大泉町のアパート周辺に現れたという話はなく、

転居先が男に漏れていた認識もない。真摯に対応したと考えている」と強調する。



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元交際相手を射殺したとされる容疑者が拳銃自殺をした。

相手の命を奪い、その後、自分も死ぬつもりだったのかわからないが、

このニュースを聞いて、桶川ストーカー事件を思い出した。

亡くなった詩織さんのご両親は、どんな思いでいるだろうか。

容疑者と面会をしていた千尋さんのお父様、ご家族は、どんな思いでいるだろうか。


「話せばわかる」と思っていたのか、

「会わないと何をされるかわからない」と思っていたのか、

すべては想像の域を脱しないが、最悪の事態を避けるために、

警察が間に入っていながら最悪の結果になってしまった。


桶川事件によって、ストーカー規制法が施行されたものの、

「あの時、こうしていれば」という事件はなくならない。

昨年の三鷹女子高生殺害事件の前には、

ストーカー被害に関する法律が改正されたばかりだったが、

女子高生の命を守ることはできなかった。


失った命は戻ってこないが、相談者を「死なせないために」という前提のもと、

ストーカー対策を練り直してほしいと、その時綴ったが、

またしても、悲しい事件が起きてしまった。


「20年の歳月」と題して、坂本弁護士一家殺害事件と桶川事件のことを綴った中に、

ストーカー行為による相談件数をあげている。

2009年の記事だから、2008年の相談件数の状況だが、

1万4657件で、前年比8.9%増で、3年連続増加だった。


昨年の日経新聞のストーカー被害の相談件数の記事によれば、

2012年は1万9920件で、前年比36.3%増、

ストーカー規制法施行後、過去最多となっている。


数字が増えていることに関しては、「未然に防ごう」という意識の高まりがあるから、

過去最高に事件が増えているとは言い難い。

しかし、すべてが規制法の対象になる訳ではないことを考えると、

検挙に至らないケースも相当数増えているだろう。


今回、容疑者は一度逮捕されており、警察もマークしていた。

しかし、被害者転居に伴い、栃木県警と群馬県警の引き継ぎが、
積極的に行われていたようには感じられない。

本人に会わずして、真摯に対応したとは言えないだろう。


DVの相談件数は、ストーカーの相談件数の倍以上にもなるし、

その他の案件も含めたら、すべてに万全で臨める状況ではないかもしれない。


空振りでもいい。むしろ空振りだったらいいじゃないか。

ましてや一度逮捕されたことで、開き直ったり、悪知恵を働かせたり、

事態をわかりにくくすることは十分に考えられるのだから。


もっと遠くに引っ越せばよかったのにと言っても、

仕事はどうするのか、サポートしてくれるひとはいるのか、

それこそ警察の協力はと考えると、現実はそう簡単にはいかない。


今までの人生をなかったことにするぐらい、

大きく生活を変えないと危険だと感じて、自分で行動できるケースは稀だと思う。


警察や自治体ができることは他にないのか。

報道は、事件発生直後こそ熱心に取材するものの、

更なる被害者を出さないためには、それほど熱心ではない。

事件を風化させないために働くのは、いつだって被害者の家族なのだから。


相談者や被害者が望んでいることからできることを慮って動くこと、

事件後の家族へのサポートについては、少なくとも、

これでいいということはない。









(参照)


20年の歳月 - 2009年11月4日過去記事より

http://ameblo.jp/aloha-spirits-yoshi/entry-10380570843.html


三鷹女子高生殺害事件に関して - 2013年10月10日過去記事より

http://ameblo.jp/aloha-spirits-yoshi/entry-11631981821.html

ストーカー被害が最多1万9920件 12年、36.3%増 - 2013年3月14日日本経済新聞過去記事より
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1305P_U3A310C1000000/