消防士がパワハラで自殺か | 同じ空の下で ~ To you who do not yet look ~

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まだ見ぬあなたへ。僕らは、同じ空の下にいながらも、それぞれの感じ方で生きている。
「偶然は必然」というように、僕らを直接結びつけるものはなくても、意図しない形で、思いもよらない所で、あなたと私がきっかけひとつで繋がったことに感謝☆




(以下、長崎新聞ニュースより)


佐世保市中央消防署の20代の男性消防士にパワーハラスメント行為を繰り返したとして

市消防局は20日、上司の50代の男性消防士長を同日付で

停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。この消防士は昨年10月に自殺しており、

同局は「上司のパワハラが要因となった可能性が高い」としている。


同局総務課によると、消防士長は2012年9月ごろから約1年間にわたり、消防士に対し、

訓練中にヘルメットの上から頭を殴る暴力や「ばか」などの暴言を繰り返した。

消防士が夜間当直の際、仮眠中に無理やり起こしたり、

無視するなどの嫌がらせも続けていたという。


消防士は昨年10月、市内の山中で首つり自殺しているのが見つかった。

死亡後、上司の名前や嫌がらせの内容を記した遺書のようなメモを見た遺族が、同局に相談。

消防士長を含め同僚ら18人に聞き取り調査をして発覚した。

消防士長は「指導の一環で、パワハラの認識はなかった。今は反省している」と話しているという。


市役所で会見した同局の田崎東次長はパワハラと自殺の因果関係について

「一つの要因として、消防士長の日ごろの言動が大きく関わったと推測している」と指摘。

再発防止策として▽パワハラに対する職員の意識啓発▽相談窓口の設置-などを挙げ、

「市民の信頼回復ができるよう、職員全員で取り組んでいく」と述べた。


管理監督責任を怠ったなどとして同局は20日付で、

消防士長の上司にあたる2人の消防司令補=いずれも50代=と消防司令=50代=の計3人を

戒告の懲戒処分。現職と前任の市中央消防署長を文書訓告処分とした。



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(以下、西日本新聞ニュースより)


長崎県佐世保市消防局は20日、約1年間にわたり特定の部下に

パワーハラスメントを繰り返したとして、中央消防署の50代の男性消防士長(小隊長)を

停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。パワハラを受けていた20代の男性消防士が昨秋、

自殺しメモを残していたことから発覚した。


市消防局によると、消防士長は2012年9月ごろから、男性消防士に対し、

訓練中に「バカ」と大声で叱ったり頭をたたいたりする行為を繰り返したほか、

仮眠休憩中に起床させたことや、担当外の公用車の手入れや雑用を命じたこともあったという。


昨年10月、男性消防士は佐世保市内の山中で自殺を図り、遺体で発見された。

家族から、消防士長を名指しし「絶対許さない」との趣旨のメモが残されていたとの申し出を受けて

市消防局が調査。消防士長はパワハラ行為を認め、「指導のためだった」と話しているという。


市消防局は「パワハラが自殺の要因である可能性は高いが、

直接の原因と断定はできない」としている。



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人々が安心して暮らせるように・・

私たちは闘います

たとえどんな困難でも

愛と勇気と誇りを胸に

その一瞬に全ての力を

大切なあなたを守るために



佐世保市消防局のHPのトップには、そのような表示があった。

その言葉が、実に虚しく感じてしまう。

腹立たしいと感じるひとも少なくないだろう。


こうした問題を聞くと、ある映画を思い出す。

それは「A FEW GOOD MEN」だ。





海軍で、ひとりの海兵隊員が死亡した。

死亡した海兵隊員と同じ部隊のふたりが殺害。

容疑者のふたりの弁護人は、彼らが、落ちこぼれに対する組織的暴力

「CODE RED」を命じられていたことを知る。

ふたりの無罪を主張し、「CODE RED」の存在を明らかにしようとする映画だ。








その結末は、映画をご覧いただくとして、ひとりの行動が、

その部隊全員の死を招くような状況で、任務を遂行することを考えた時、

マイケル・サンデル氏の講義ではないが、ひとりの命を犠牲にして、

全体を守ることが正義かどうかという問題に直面する。


亡くなった消防士を貶めるつもりはない。

また、消防士長が、果たして、そうであったかわからない。

しかし、「指導の一環」という発言を聞いて、

この映画のことを綴らずにはいられなかった。


「パワハラが自殺の要因である可能性は高いが、直接の原因と断定はできない」

だから「停職1ヶ月」だとすれば、失われた、いや、奪った命は軽んじられていないだろうか。

停職1ヶ月で、「何事もなかったかのように」、元の仕事に戻れるのだろうか。



人々が安心して暮らせるように・・

私たちは闘います

たとえどんな困難でも

愛と勇気と誇りを胸に

その一瞬に全ての力を

大切なあなたを守るために



消防士は、海兵隊員と違って、時にひとの命を奪うことが仕事ではない。

消火活動とともに、人命救助が、彼らの仕事だ。


自分たちが掲げたこの言葉に誓って、

再び仲間を死なせることなどあってはならない。