(以下、時事通信ニュースより)
フィリピンの英雄である元ボクシング世界王者パッキャオ選手(34)が24日、
再起を懸けた試合をマカオで戦い、見事勝利した。
試合の模様は、大型台風30号が直撃した中部レイテ島でも中継され、
避難所のスクリーンの前に詰めかけた大勢の被災者はパッキャオ選手の勝利に歓喜した。
レイテ島の中心都市タクロバンではこの日、パッキャオ選手の大一番を見逃すまいと、
避難所となっているスタジアムに多くの家族連れがやって来た。
中には支援物資の配給の列に並ぶのもやめて足を運んだ人もいた。
試合を見守ったマリオ・ペナフロアさん(41)は
「被災者に生きる気力をよみがえらせた」と感激した様子。パッキャオ選手も試合後、
「この勝利は自分のカムバックではなく、悲劇からのみんなのカムバックだ」と笑顔を見せた。
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フィリピンの英雄マニー・パッキャオ。
ボクシングに興味のない女性も、子どもも、
パッキャオの名前だけは覚えておいてほしい。
ボクシング界最高の6階級制覇した王者で、
現在はフィリピンの下院議員でもある。
つまり二足の草鞋を履く英雄であり、
生ける伝説がマニー・パッキャオなのだ。
勝てる相手を選んで積み上げた勝利ではなく、
タイトルに拘らずに、その階級のチャンピオンに挑み続け、
その過程で積み上げた6階級制覇。
彼の試合は、母国で60%を超える視聴率を稼ぎ、
フィリピン国軍と反政府組織の紛争でさえ、
「パッキャオを応援すべきだ」として、
一時、戦闘を見合わせるほどの影響力をもつ。
彼はいずれフィリピン大統領になるだろう。
フィリピン全土がそれを望んでいる。
そんな英雄も、今年で34歳になり、昨年はまさかの2連敗を喫していた。
しかし、7年ぶりに母国で戦うパッキャオは、国民の前で、復活勝利を飾った。
「この試合は、台風の被害に遭った人々に捧げたい」
ファイトマネーを全額寄付する英雄は、またひとつ伝説をつくった。