伝えないまま期待するのは、やっぱり無理があった。
ああ、これはもう会話になっていない。そう感じる瞬間がある。先日、数年ぶりに会った男性と話していた。何気ない近況報告の流れだったのに、ふとした拍子に、彼の家庭の空気が見えた。「気づいてほしいんじゃない?」その言葉を口にした瞬間、彼の語気がぐっと強まった。「それだよ、それ!」ほんとうに嫌なんだ、という怒りと疲弊が、説明なしで伝わってきた。ああ、これはもう、夫婦ね会話が成立していないんだなと思った。相手が何を望んでいるかわからないまま、「察してよ」と静かに責められ続ける感じ。それは、確かにしんどいよね。そして、その話を聞きながら、以前の自分を思い出していた。私も、まさにそうだった。言わなくても分かるでしょ?なんで気づかないの?本気で、そう思っていた。愛情がどうとか、理屈なんて考えていなかった。「分かって当然」それが前提だった。でもあるとき、自分の「好み」が、あまりにもややこしいことに気づいた。たとえば、カクテル。のどにカッとくる感じは苦手。軽すぎるのも違う。ドライフルーツは好きだけど、フレッシュすぎる甘さは嫌。ドイツのリースリングは好きだけど、「かわいい若い女性が飲む」ようなものは、ちょっと気恥ずかしい。そして、案外アルコールは強い。……冷静に考えると、自分でも言語化が難しい好みをしている。ややこしさのわかる話はこちらにも↓『酸っぱいコーヒーが教えてくれたこと。』はじめましての方はこちらへ。古賀アルマです。最近、ちょっと恥ずかしい勘違いをした。コーヒー豆を買いに行っただけなのに、自分の、人への伝え方のクセ…ameblo.jpそれなのに、夫とはいえ、元は他人。ヒントも出さずに、「当ててみて。それが当然でしょう?」なんて。「ああ、これは無理ゲーだ」と思った。このことに気づいたとき、怒りは少しだけ引いた。少し反省もした。伝える努力をしていなかったから。それからは、できるだけ言葉にするようになった。うまくいく日もあれば、全然うまくいかない日もある。でも少なくとも、地図なしで怒りの地雷原を歩かせることは減ったと思う。そして今。バーのカウンターで、一杯のグラスを前にしながら、ふとあの頃を思い出す。「かわいい若い女性が飲むやつは、 ちょっと違うんだよなあ」なんて考えている自分に、ああ、やっぱり好みはややこしい、と小さく笑ってしまう。伝えるって、むずかしい。でも、当てさせるよりは、ずっと幸せ。では、またねおすすめ記事夫婦の距離感については、こんなふうにも書いています。『夫婦の距離感はこんなもの』こんにちは。毎日暑いですね~始めましての方はこちらからどうぞ→はじめまして、古賀アルマです。夏ということでセブ旅行に行ったり、万博にハマったり。仕事もあ…ameblo.jp