神奈川県動物愛護センターの殺処分ゼロ達成に尽力された、KDP kanagawa Dog Protection 菊池代表のブログから。

3年近く前の記事ですが、今の茨城センターの現状を考えるヒントになります。

どうぞご一読ください。

 

※読みやすいように、一部、改行、句読点を入れて転載しています。

 

【確実に殺処分の数を減らし殺処分ゼロへの唯一の道】

 

【神奈川県を見本として殺処分ゼロの取り組みを実施していきたい全国の都道府県、各市町村自治体の皆様へ】

 

神奈川県は殺処分ゼロへマニュアルを作り計画して実現した訳ではありません。

40年間の運営から職員さん、ボランティア、地域性、意識の変化等が重なり、その時が来て、突然実現できた為に、

具体的な(こうすれば)と言うお手本が見つからず、見えてこなくお困りの事と思っています。

 

【確実に殺処分の数を減らし殺処分ゼロへの唯一の道】

 

1、重要なのは現在、本年度の収容頭数ではありません。

  来年、再来年の収容頭数をいかに減らすかにかかっています。

 

2、手元にいるセンター収容犬全頭の去勢避妊手術を実行

 

3、年間に収容される頭数と同数の畜犬登録犬の去勢避妊手術

  予算を組み助成金で手術を行う取り組みに至急取り掛かる。

 

4、第一種登録業、未登録者、畜犬登録未登録者の犬、繁殖犬の数

  を把握、指導、管理し、徹底した飼育数の把握、管理

 

     以上が殺処分ゼロへの最短の近道と解決策です。

     順番に何故かを説明させて頂きます。

 

 

  理由

  本来犬達の数の人による制限とは人々が適正に管理し動物たちと共存できる様になれば

  元々与えられた身体に対し人の手で外科的な手を加える必要が無く

  きちんと人々の管理下によって制限が出来る物とし、

  動物先進国では避妊去勢が禁止されている国もある位です。

  これには私も共感できますし、まったくその通りだと思うのですが、

  意識の高い人々だけがその様な気持ちをもってしても現在の日本の状況を考えますと

  30年は先を行っている最高の理想であり、

  末端は付いて行く事すら出来ない状況にあるのが

  現在時点での日本における犬猫の殺処分数に比例していると考えます。

  今日も毎日殺処分が行われている現状を考えますと理想とは程遠く、

  現時点では、本来の人々の意識解決とは離れたその場しのぎの

  元の解決とは言えない手段との声も聞こえては来ますが、

  現在の状況を考えますとここに焦点を合わせなければ、

  解決の糸口は見つかる事が出来ないと共に時間だけが(命)が過ぎ消えて行きます。

 

 

 1、重要なのは現在、本年度の収容頭数ではありません。

  来年、再来年の収容頭数をいかに減らすかにかかっています。

  

  動物愛護管理業務実績(PDFファイル)

  上記は福島県のグラフ(注:表)になります。

  ※デッドリンクだったため、最新のリンク先に変更しています

 

  福島には震災後全国から大勢のボランティアが現地に入り啓発、

  数千の犬達の去勢避妊手術を行いました。

  結果、震災二年前、

  平成21年度犬殺処分数1499頭、

  平成22年度犬殺処分数1247頭、

  震災の年、

  平成23年度犬殺処分数767頭、

  24年度612頭、

  25年度474頭、

  26年度462頭、

  そして27年度は279頭まで減っています。

 

  この数字は神奈川県がゼロを実行出来る3年前の数字です。

  イコール福島県のゼロは目と鼻の先と言えます。

  震災の年に前年度よりか約半数の数に減っていると言う事が特に注目する点です。

 

2、手元にいるセンター収容犬全頭の去勢避妊手術を実行。

  この意味はボランティア引き出しや、返還の犬達に当たる事です。

 

3、年間に収容される頭数と同数の畜犬登録犬の去勢避妊手術を

  予算を組み助成金で手術を行う取り組みに至急取り掛かる。

 

  飼い主返還時が飼い主との接点を持てるチャンスです。

  この時に啓発、後押し(避妊去勢助成金)をします。

  以外では年に一回ある公民館や、体育館での狂犬病予防法注射時に啓発、

  後押し(避妊去勢助成金)の後押しをします。

  殺処分の多い県は昔からの意識から、

  自分の犬がどうやったら赤ちゃんをこしらえてこないかを知らない人がいっぱいです。

  知恵が無いのです。

  ただ知恵があったとしても、犬にお金を掛けると言う感覚もありません。

  なので、ただ避妊去勢の重要性を説いても説得力に欠け、実行ができません。

  そこで最重要なのが後押し(避妊去勢助成金)の存在です。

  数千円じゃ説得力がありません。

  ほぼ全額の金額の提示が必要ですが予算を組み、

  その先の施設運営に掛かって来る金額を考えれば安くなる金額です。

 

  ワーストトップに日々います茨城県で民間でこの事にいち早く気が付き行っている方もいらっしゃいます。

  意識の薄いトップの県でよくも頑張っていらっしゃるなと頭が下がります。是非とも参考までに。

  けいせつ基金さん。http://ameblo.jp/totojanice/

 

  以上の事ですが、

  私が神奈川の殺処分を止めようと思った年の前年度の殺処分数は、116頭くらいでした。

  そして殺処分ゼロの年シェルターには130頭の犬達がいました。

  ゼロになったうれしさ等は微塵も無く、ただただこの先に訪れる

  訪れている、また始まる本年度の恐怖だけでした。

  来年の今を想像して犬達の数が倍になり、ならなければ二年連続、

  殺処分の継続が不可能だった時の想像による、自身とシェルター崩壊への恐怖です。

  ゼロに、と思う前に上記の活動をしておくべきだったと、今、自分がやって来たからこそ真剣に感じ、思います。

  

4、第一種登録業、未登録者、畜犬登録未登録者の犬、繁殖犬の数

  を把握、指導、管理し、徹底した飼育数の把握、管理。

  要するに行政が把握し切れていない犬達、飼い主に付いて

  指導や、狂犬病予防法の管理などできませんし、

  把握して居ない犬達に付いて無指導だったとしても

  行政になんら責任は生じません。

  知らなかったことですから。

  ですが先日の厚木猟犬多頭飼育崩壊でもそうですが、いざ、崩壊してから事実が明らかになり、

  実態を把握しても遅く、責任逃れをしても結局は尻拭いをする事になるのは管轄のセンターになります。

  以上の事を考えると各分野の行政部署とのつながりも重要になってきます。

  猟友会と猟犬に関しますが。

 

  以上、福島県のグラフの現状を見て頂きたく思い、最重要の近道を行ながら

  他にも山積みな事を同時に行い脇を閉め、締まっている首を緩めつつ

  次から次へと溢れ来る入口の雨を防水する事が以上の事となります。

  今後ともよろしくお願い致します!

 

 

~以上、ここまで

 

 

殺処分ゼロを目指すのであれば、そのタイミングと十分な下準備は必要です。

今年だけ達成すればいいわけではない。

来年、再来年の収容をいかに減らすか。

それから、センターの収容数と、ボランティアの引取頭数のバランス。

ここに大きな乖離や、とんでもない無理があってはならない、ということです。

 

平成30年度 茨城県の犬の引取、捕獲頭数

<犬>

引取 127頭、

捕獲 1,299頭

合計 1,426頭

------------

返還 130頭

譲渡 985頭

処分 235頭

 

<猫>

引取 1,515頭

------------

譲渡 1.284頭

処分  211頭

 

犬猫の頭数の差分は、次年度へと保管が移行しているのだと思われます。

 

平成29年度は

<犬>

引取 116頭

捕獲 1,209頭

合計 1,325頭

------------

譲渡  828頭

処分  338頭

 

<猫>

引取 1,758頭

------------

譲渡 1.281頭

処分  375頭

 

 

猫の引取は平成30年度、減少していますが、

犬の捕獲は、平成30年度は100頭近く増加しています。

地域でいうと小美玉市、神栖市で増加しています。

これは、この地域で、犬の不妊手術や、野良犬の捕獲が進んでいない、

または、子犬が産まれて大きくなって、また繁殖のサークルに入っていく、ということだと思います。

 

こういったことに対しても手当をしていかないと、収容数が減りません。

そうなると、処分ゼロなど到底無理な話です。

客観的に数字だけみて、収容が減っている、処分が減っている、だから

処分ゼロにできる、という道理には無理があります。

 

現実、平成29年度から平成30年度、犬の収容は増えているのです。

犬猫の譲渡数は横ばいです。

 

手持ちの資料では、子犬、成犬の内訳がわかりませんので、正確な情報を今、出せませんが・・・

神奈川県では、前年度の処分数が116頭くらいになった時に、

処分ゼロを目指せるかもしれない、と走られたのですが、

その目指した年にKDPのシェルターには130頭の犬。

その翌年に収容数が減らなければ、崩壊の一途をたどったかもしれない。

そうならなために、入口対策がいかに重要か。

ということを改めて、考えさせられました。

 

センターに収容される直前で、多くのボランティアさんが、多くの命を救っています。

その数も合わせると、ゆうに上記の数字と同数、またはそれ以上が、保護されているのではないでしょうか。

 

犬猫の「命」を重んじることだけを最優先に考える前に、

冷静に客観的に現状を把握して、

動物福祉の観点からも、現実を正しく受け止めなければなりません。

 

私たちが目指すものは、長く続く犬猫の幸せ、福祉であり、

不幸な犬猫を1頭でも減らしていくこと。

そのために、良い飼い主を増やすこと。

商売の利益に乗り、犠牲になる犬猫を1頭でも減らすこと。

 

「殺処分ゼロ」という言葉に踊らされてはいけません。

 

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