続報と「こぼれ話」 | 雨の降らない国

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ピグでの活動をときどき報告しながら
東電福島第1原発警戒区域の問題など
動物関連の話題を紹介しています。
うちの猫や読んだ本の話なども。

ETV特集に出てきた犬猫についての続報です。

パンダ君と一緒にいた、もう1頭の犬、
ブラッキー君 は、連れて帰ることができたそうです。

猫ぽっかぽっか!プラスわん


しかし、番組に映っていた猫達のうち1匹、トム君は、収録後に
まだ、餌やりに通っていた時に、亡くなっていたとのこと。
そして、他の猫達は、姿を現さなかったり、捕まえようとすると
逃げたり、で、まだ、連れ帰ることができていません。
ブラッキー君も、大きな咬み傷を負っていたそうです。
警戒区域では、取り残された犬達が飢え、群れを作るようになって、
弱肉強食の世界になっていっていることが、懸念されています。

     【参照】→ 早川日記「ごん太を治療した獣医さん」

パンダ君やブラッキー君の飼い主夫妻は、連れ帰る時には、
すべての犬猫を一緒に、と思っていたため、番組の最後で、
車を追いかけてくるパンダ君だけを連れて行くことをしなかった
そうで、「置き去りにした」と言われるのは少し気の毒に思います。
しかし、その後、何度、嘆願しても、帰宅が許されず、
置いてきた餌で生き延びてくれることを祈るしかなかった。
これは、御自分でも認めておられるように、「判断ミス」でしょう。

(とはいえ、もっと、政治や行政に近い立場の人でさえ、
うっかり、行政を信じて、裏切られた、と、怒っておられます。

  →藤野真紀子 氏のブログ

自治体が餌・水を与えるというので、家にペットを残したら、
今になって、委任状があっても屋内には立ち入れないから、
餓死を容認しろと言われた、とのこと。

この場合、裏切られたのは人間でも、命を差し出すことになる
のは、動物達ですから、愛するものを守るためには、
よほど、腹をくくらねばならない、と、肝に銘じます。)

いったん、警戒区域に指定されたら最後、国や行政が金輪際、
許可を出さないだろうという危機感も、
多くのボランティア団体が活動して、一時預かりもしていることも、
肝心の避難者には、ほとんど伝わっていなかったのです。
残念です。

他のところでも、「ペットを預かるなどと言って、法外な料金を
請求するつもりだろう」等と最初、警戒していた避難者の方の
話がありました。また、ある意味、そうした猜疑心に便乗する形で、
「愛護団体に、身内の飼い犬を勝手に里子に出された上に、
被災者に対して手数料を請求した」などという書き込みが拡散され、
どこの愛護団体だ!などという非難が浴びせられました。
実際は、誤解があった上に、(激昂するあまり)故意に話を歪めて
伝えてしまった旨の謝罪記事 が出ています。

本当は、共に、動物を救い、国を糾弾するべき、
愛犬・愛猫家と
ボランティア団体や保護活動家
との間に、こうした軋轢が生じ、
それを国家機関や行政が利用されることになって、
規制を強化する口実に使われたりすることは、たいへん、残念です。

以下は、さらに、ネガティブ大爆発なので、不快な人は読まないでね。
無理に、スクロールして、ペタしなくて、いいですよ。

 この件ですが、さもありなん、という要素があります。
以前の記事で、今本先生のブログの中に書かれている話に、
腹が立ちすぎて書けない、という一文を入れましたが、
これ、飼い主さんの依頼で、窓を破って、救出に入ったところ、
多頭飼いの猫が共食い状態になっていた、という件です。
どこのブログなのか、この問題に関心のある人ならすぐわかる。
もちろん、室内のペットたちには、もう一刻の猶予もない、
ことを示そうと、ブログに掲載されたのですが、
この行為が問題になった、というのです。
そのために、許可が下りるはずだったのが、だめになった、と。
何言ってるんだーーーーー、です。
もう、この時点でも、ほとんどの室内ペットは餓死していたんですよ。
なのに、他人の家に、「侵入した」ことの方が、問題だと。

そんな考え方する役人が、あなたたちの大事な家族を
餓死なんかさせません、なんていう約束守らなくてもも、不思議ない。
人間が居残るのは困るから、ちゃんとお世話しますよ~と
安請け合いして、うまいこと避難させたら、お手柄なんでしょう。
これじゃ、緊急避難の時と、ひとつも、変わっていやしない。

子供が車の中に残されて、熱中死しそうになっていたら、
窓を割ってでも、鍵を壊してでも、とにかく救出するでしょう。
車の損害を弁償しろ、などという親がいたら、世間が非難する、
というより前に、我が子を殺しそうになった時点で犯罪です。
でも、ペットは「物」だから、非常時に、執着する飼い主の方が
頭がおかしい、とでも、思ってるんじゃないですか。行政は。

しかも、2ちゃん野郎共も、一緒になって、でっちあげだ、
やらせ写真だ、飼い主の依頼なら玄関の鍵くらい渡すだろ、
と言いたい放題でした。どうでも、いいけどね、こんなヤツら。
喫茶店ででも待ち合わせて、ハイ、これが鍵で~す、なんて
やってられる状況だと思うのか。

でも、それで検索してたら、気になるブログ記事を見つけました。
それは、ある女性が、飼い猫達が心配で、
窓を割ってでもいいから、と保護団体に救出を依頼したところ、
両親から、それは困る。依頼を取り消すように言われたという
のです。家を壊されるくらいなら、こっちで何とかすると
言い出した両親の態度に困惑している、という内容です。

実は、犬の保護についても、同じようなことで
(愛犬が救出されたことより、家に泥棒が入っていなかったか、
ばかりを気にする両親)嘆いておられる活動家がおられるので、
現地の親世代と若い世代の間で、犬猫についての
意識がかなり、ずれている家庭が珍しくないのでは。

結局、依頼をキャンセルしたかどうかは、不明ですが、
この女性の猫は2匹だけで、置き餌のチャンスもあったそうなので、
ブログに掲載された「共食い」状態の依頼者とは違うと思います。
でも、同じような事情があったとしたら。
「飼い主」の依頼だから、と、強行突破した結果、
「家の所有者」から訴えられる、というケースが考えられます。

単に、怪我をしたり、放射能の危険にさらされているだけじゃない。
保護活動の実践に携わる人々は、そうとう、腹を据えて、
『何が大切か』の判断をし続ける人たちなのです。

(公務員にだって、立派な人はいるかもしれませんが、)
そんな簡単に真似のできることじゃない、と私は思います。

だから、役所の言うことなんか、信じるな。って言いながら、
今が大事なところだから、今だけは自重して欲しい、
などという雰囲気がネットにまで、流れて、
こんな弱小ブログでまで、批判を控えたお返しがこれですかい。

「人質」(ヒトじゃないけど)がいなくなったら、
覚えておけよ! (←負け犬の遠吠え、ごまめの歯ぎしり)
と思っていたら、
どうやら、「人質」(ヒトも含むことになりそう)の数は
増える一方みたいです。