コンクールの課題曲、モーツァルトのピアノ・ソナタ第3番を練習するにあたって、
阿宇野は、かつて自分がピアニストだったときに演奏したCDをカイに聴かせます。
そこで、カイが衝撃を受けます。
曲自体は、修平が弾いていたのを聴いていますが、修平の演奏とはまったく違う演奏が
聴こえてきたからです。
子ども時代の修平の演奏は、番組のオーディションで選ばれた6歳から15歳のピアニストのたまごが演奏しているので、子どもらしい素直な、でも完璧な演奏。
一方で阿宇野の演奏は、反田恭平さんが弾いていますが、とてもやわらかく、ふところが深いような演奏。ブラウン管を通してだとちょっとわかりにくいですが、よく耳を澄ませてみると明らかに演奏に違いがあります。
ですが、ここで問題が。
カイは、今まで自分の耳で聴いたものを再現することに徹してきたためか、阿宇野の演奏をまるごとそっくりマネして弾いてしまうのです。そして、うまく弾けたら、つまり阿宇野の弾いたとおりに弾ければ楽しいと。
単なるものまねになることを危惧した阿宇野は、カイに「おまえのK.280を弾け。それがモーツァルトからの遺言だ」と伝えます。
完璧な耳コピができることもすごいことですが、音楽は単にまねすれがいいってもんじゃない、という音楽の真髄に対するメッセージが、ここで早くもあらわれています。
そして、いよいよコンクール当日。カイと修平、そして新たなライバルとなる丸山誉子が登場します。この子、とても気が強そうに見えて実はあがり症で本番に弱いという、「ピアノ弾きあるある」のモデルみたいな子です。