ピアノの森第2話では、自己流で気ままにピアノを弾いていたカイが、
修平や阿宇野の弾くピアノにも意識を向けるようになります。
ひとつは、修平が弾いたコンクールの課題曲、モーツァルトのピアノ・ソナタ第2番。
コンクールというものがあることも初めて知ります。
そして、もうひとつは阿宇野が弾いたショパンの「小犬のワルツ」。
今までどんな曲でも一度聴けばすぐに自分で再現できていたカイですが、
「小犬のワルツ」だけは、どんなにがんばってもなぜか弾けない。
そこで、阿宇野にショパンの弾き方を教えてもらいにいきますが、
課題として与えられたのは、「ドミファソラソファミ…」と機械的に指を動かす、
ハノンの第1番。
来る日も来る日もこればっかり練習させられ、しかもしばらく森のピアノは
弾いていけないと禁止令も出されます。
最初は音の粒がそろわず、危なっかしい感じで弾いていたのが、少しずつなめらかに
速く弾けるようになったときに、「小犬のワルツ」を弾いてみると…、あら不思議!
ちゃんと弾けるようになっている!
ハノンでの練習はずっと同じ形を繰り返す機械的な動きで、味気ないものにも思えますが、
こればいわば指の準備体操であり、基礎訓練です。
スポーツをするときだって、必要な筋肉を普段から鍛えておく必要があるし、念入りに準備運動をしてかだの筋肉をほぐす必要だってあります。
スポーツするときほど大きな筋肉を動かすわけではないのですが、ピアノだって鍵盤上で激しく指を動かし、手首や腕、肩甲骨のあたりの筋肉も使っているので、鍵盤上のスポーツといえます。なので、基礎訓練、準備運動としてのハノンは大事な練習なんです。
ハノンを練習することで、なぜ「小犬のワルツ」が弾けるのか?
おそらく、指のこまわりをきかせないと弾けないからではないかと推測します。
音型も、くるくると回るような形だし、そもそも軽やかに速く弾く曲なので、
指が細かく小刻みに動く必要があります。
カイの今までの弾き方だと、腕や手自体に力が入っていて、脱力できていないために、「小犬のワルツ」のようなこまわりをきかせる曲は、指がうまく動かなかったのかなと思います。
そして、律儀なカイは、阿宇野にピアノを教えてもらった対価として何かお返しを
しようと申し出ますが、対価として提示されたのが、修平も出場するコンクールに出ること。
修平は、自分でさえ生徒としてとってもらえなかった阿宇野が、カイにピアノを
教えると知って嫉妬を覚え、さらに同じコンクールに出ると知って、闘志を燃やします。
カイのほうには、まだ全然その自覚すらありませんが…。
この2話で、早くも修平とカイがライバルとなり、これからお互いに切磋琢磨していくことになります。