連休中に歌舞伎座夜の部を観てきました。
夏といえば怪談、怪談といえば…この「東海道四谷怪談」です。
鶴屋南北作のこの演目、有名な四谷怪談の話に
「仮名手本忠臣蔵」のストーリーをからめています。
お岩の父、四谷左門もお岩の夫、民谷伊右衛門も、
またお岩の妹お袖の許婚である佐藤与茂七も塩冶浪人という設定で、
この塩冶というのは塩冶判官、つまり忠臣蔵の浅野内匠頭のことであり、
その家臣であったという設定。
そして、伊右衛門に横恋慕するお梅の家が、高師直つまり吉良上野介に仕える家
であるという設定です。
四谷怪談も、よく知られた話なので、ストーリーは言わずもがなですが、
この演目のおもしろいのは、お岩役と与茂七役と小仏小平(伊右衛門の手伝い役)を
ひとりの役者が演じるところ。
今回は、尾上菊之助さんでした。
また、色悪と呼ばれる色男にして悪人の伊右衛門を
市川染五郎が演じていました。
意外とこの方、悪役もに合うんですねー。
菊之助さんは1人3役なので、当然早変わりの場面があります。
ホントにいつ入れ替わったの?というくらいの素早さで
お岩が部屋から消えたかと思ったら、次の瞬間反対の方向から小平が現れる
といった感じで、楽しませてくれます。
見ものなのは、戸板返し。
隠亡堀(おんぼうぼり)の場で、釣り糸を垂れる伊右衛門の前に
彼に殺されて戸板に打ちつけられたお岩と小平の亡骸が流れ着くのですが、
ここで、はりつけられたお岩と小平が交互に表れるという早業が見られます。
また、蛇山庵室(へびやまあんじつ)の場では、
外にかかっていた提灯が燃えて、中からお岩の亡霊が出てくるという場面があり、
本当に燃えている提灯の輪をくぐるようにしてお岩が登場するのです!
明らかに火の中をくぐっているのですが、熱くないのだろうかと不思議です。
こういった見せ場があるので、この演目、何度観ても楽しめるのです!