2022年の振り返り&おすすめ映画20 | 映画の楽しさ2300通り

映画の楽しさ2300通り

ある映画好きからすべての映画好きへの恋文
Love Letters to all the Movie Lovers From a Movie Lover

2023年が開けました。今年も新旧取り混ぜていろいろな映画の楽しさに出会いたいと思います。

さて昨年はどうだったかと言えば、2度目以上の作品を除き、52本の映画を新たに観ることが出来ました。それらの中からお薦めしたい作品を以下ご紹介します。

■人生の特等席

監督イーストウッドも好きですが、やはり自分が好きなのは俳優イーストウッド。アクションと渋さだけではない、役者としての上手さも見せてくれます。
もう少し詳しいレビューはこちらです。


■拳銃魔

批評家受けもよいクラシック・フィルム・ノワールですが、キャラクター設定の面白さと淀みなくダイナミックな演出の巧みさが見事にマッチしています。
ちょっぴり哀しい愛の物語でもあります。

■追憶の森

ご存知"自殺の名所"青木ケ原の樹海を舞台とした、これも切ない愛の物語。
あまり得意ではない渡辺謙が期待以上の好演。日本語がわかる方には特にグッと来る部分があります、というとネタバレになっちゃうかな?

■突然炎のごとく

大好きなトリュフォーの代表作。人間を見つめる彼の視線は厳しさもありながら優しさに溢れており、どんな結末であれけっして暗い気持ちになることはありませんが、本作もまたしかり。
人々が真摯に生きる営みをけして否定しない愛あるスタンスに惹かれます。

■ドライブ・マイ・カー

国内外で各賞を争った高評価は嘘ではなく、期待以上に良かったというのが偽りのないところ。

村上春樹にも西島秀俊にもさほど思い入れがなく期待値が低かったこともありそうですが、"言葉"が主体となる構成・演出が気に入りました。

以上は"愛する映画"候補にしたい"大好きプラス"の作品ですが、その他にも大好き(2つ星)になった作品を以下ご紹介します。

カーク・ダグラス主演「地獄の英雄」は現代にも通じる過剰報道の闇を描いたビリー・ワイルダー渾身の力作。チャン・イーモウ監督、コン・リー主演の「妻への家路」はこれも切ない愛の物語ながら一筋の希望が感じられます。
夕陽に向かって走れ」では、割と"良い人"役が多いロバート・レッドフォード悪っぽい魅力をみせてくれました。「恋する惑星」は恋愛の浮揚感も無情さも楽しめるウォン・カーウァイ作品で、金城武も好演しています。
駅 STATION」は本ブログにレビューがありますのでそちらを。「ミナリ」のレビューもこちらにありますネタバレしていますのでまだの方は読まないでください。アメリカに移住した韓国移民家族のチャレンジを安易なサクセス・ストリーに陥らせず淡々と描き、心地よい感動を与えてくれます。
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー本当に怖いサスペンス悪魔のような女」と、ジョン・フォード西部劇の真骨頂ともいえる「幌馬車」はどちらも古典的名作と言え、一見の価値はあると思います。

あやまつてParavi に入ってしまった(脱会済み)ために観ることになった「かくも長き不在」と「わが青春のフロレンス」はどちらも期待以上に面白く、庶民のたくましさを描くヨーロッパ映画の骨太さを再認識しました。「追憶の森」と併せた短いレビューはこちらです。
一方ハリウッドならではのスケール感で描く問題作が「クリムゾン・タイド」。トニー・スコット監督の演出が快調なエンターテインメントながら、デンゼル・ワシントンの一言にアメリカの良心を感じます。
ところ変わって我が国の「上意討ち 拝領妻始末」は、"拝領妻"司葉子が素晴らしく夫役の加藤剛も好演。封建時代の武家社会の理不尽さは現代に通じるところもあって面白いのですが、アクション部分はまあまあ、でしょうか。
韓国からは気になっていたホン・サンス監督、イ・ミニ主演の「それから」がこれも会話中心のスタイルが面白く、同じコンビの他作品も楽しみになりました。
ずっと観たかったダシール・ハメット原作の「影なき男」とレイモンド・チャンドラー脚本による「青い戦慄」をついにAmazon Prime Videoで鑑賞。映画の面白さはウィリアム・パウエルマーナ・ロイ掛け合いが楽しい「影なき男」に一票、ですが、アラン・ラッドが彼らしい非情さと敏捷さを見せる「青い戦慄」もファンとして大いに楽しめました。

以上、おすすめしたい20本をご紹介しましたが、観てみようと思われた作品はあったでしょうか。なかったとしたらそれは拙い文章のせい。観て後悔しない作品揃いです。

※写真は「人生の特等席」のクリント・イーストウッドとエイミー・アダムス
※文中の作品のいくつかについてはFacebookにも"公開"投稿しています。よろしければそちらもご覧ください(プロフィールにリンクがあります)。